―一階:台所―
[片付けるには身をかがめなければならない。
一日、椅子で寝た少年はいやーな顔をしたけれど、仕方ないかと頭を下げた。
足音が聞こえる。手を大きな破片に伸ばす。怪我をしない自信は、あったが]
あ、はい。大丈夫です。
ちょっと手が滑っちゃって――
――……あああああ!!!
[心配かけてすみませんとか言おうとした言葉がすべてぶっ飛んだ。
まさかこんな風に初対面とかとか何かいろいろ考えているようで、テンパってしまう様子。拾おうとしかけた破片でちょっと手を切ったが、深くもないし血はにじむ程度。確かに運は良い。が、ある意味悪い。
落ち着くことなんて出来るわけもなく、高揚した頬で(しかもそうすると余計に本の痕がくっきり見える)叫ぶように言った]
愛してます!!!