他の奴らじゃ荷が重いってのが分かっただけさ。
[強く引かれる糸。拮抗させるように力を込める。蒼が警戒する通り、黒狼は己の傍らで機会を窺っている]
別にどうもしない、ぜっ!
[そんな中で崩される均衡。こちらも早期戦を考えて居たために驚きこそ少なかったが、崩された均衡を戻すにはやや時間がかかる。それを補うかのように飛び出したのは、やはり黒狼だった。噛み付くのではなく、駆ける軌道を阻害しようと突進する]
……唸れ龍脈。
[体勢を整えると共に、ダンッ、と一つ足を踏み鳴らした。地下を巡るエネルギーが踏み鳴らした足を介し、身体へと集まって来る]
我が力と化し、意のままとなれ。
[ギリ、と拳を握ると、力を蓄えた状態で地を蹴り、蒼へと駆けた]