― 自室 ―[旅人がベッドから出られずにいる間に、屋敷の中には人の気配が動き出す。柔らかな少女の声や、張りのある青年の声も耳に届き、もぞもぞと旅人は毛布の中から顔を出した]若い人は元気だねえ。[そう幾つもは変わらない筈だが、旅人としては、そんな風に言いたい気分なのだった]