―広場・露店側―
おや、どうしたの。
[歩いてきた一人の少女に視線が止まる]
[声を掛ければ泣き腫らした顔がこちらを振り向く]
帽子がなくなってしまったのか。
自衛団には行ってみたのかな?
[そこにもなかったのと再び泣き出しそうな少女]
[周囲に聞くも知らないなという答えばかりが返る]
[放っておけなかったのはいつものことといえばいつものこと]
[店の荷物を片付けて暫く空ける旨の札を置いた]
噴水側の方が人が集まっているからね。
手伝うよ。ほら、行こう。
[手を差し伸べる]
[目を擦る少女を連れて噴水の方へと歩く]