―雑貨屋―
ゲルルンにイレーネはわかっているな。
[深刻そうな様子はすぐに消えて、同調するゲルダにはうんうんと頷いて、イレーネの言葉にも裏の意を感じるところはあったが、好意的に解釈していた。
アーベルから返された自重の必要はないなとの言葉に]
なんだ、アーベルはてっきり都会に女の一人や二人作ってるのかと思ったぞ。
だから帰ってこないのかとも思ってたしな。
[アーベルの方に近寄ってから、女の子らしい仕草でじっと見上げて]
可愛そうなアーベルお兄ちゃんの、お嫁さんになってあげるの……
[そう、いつもよりもおしとやかな声で言ったりしていた]