―― 安置所 ――
>>134
[ふと、自分の右側を小さな呟きが通り過ぎた]
………おや?
[瞠目したのは、彼女(年若い女性の声に聞こえた)が来たと思われる方向を向いていたのに、彼女がやってくることに全然気がつかなかったから]
[慌てたように振り向いて、再び目を見開いた。
後姿から想像する年恰好に似合わざる口調と内容。
そして、そんな年頃の子を自分が無意識にも見逃していたことに]
皆、ナーバスになっているのですよ。無理もない。
[彼女の呟きは、ゲルダにも届いたろうか。
その内容が彼女を傷つけないよう、そんな言葉を口にした]