─宿屋・食堂─
[声を掛けられれば、手を上げ応えていたが、新たに入ってきた人物にスッと目を細める。]
……………じじぃ。
[呟いた言葉は、いささか棘のある響きを含んでいたか。
そうして、睨んだ視線のまま語られる言葉を聞いていたが、]
……人狼伝承、か。まさか今の俺の始まりにこうして現実に遭遇することになるとはな。皮肉の利いたこって。
しかも、じじぃが『あの』結社員とはな。
[ぶつぶつと一人呟いていたが、短くなった煙草を揉み消すと、]
さぁて、仮にじじぃの話が本当だとして。
みんなはどうするよ? じじぃの言うことに従うか?
[新たな煙草に火を点け、辺りを見回す。]