─ 広間 ─
……あ、うん。
お願い、します。
[お茶でも、と。
かけられた声>>277にこくん、と頷いた。
そう言えば、聴こえていた旋律はこのひとのだったのかな、と思ったけれど、それを問う余裕はなく]
……ユリさん?
[呼びかけにも幼い子供のような反応を返すばかりのユリアンの様子に、どうしようか、と悩んでいたのだが。
こちらから何かするより早く、ユリアンは冷たくなった愛犬を抱えて広間を出て行く]
……あ。
[どうしようか、と思ったけれど、追うのはやめた。
今は気が済むまで、やりたいようにさせてあげたい、と。
そう思うのは、自分がそれで立ち直れたからで]