[え、それ壊しちゃうの。え、そこでその子殴るの?
ストッパーはちょっとずつ麻痺させられて、ウェルカム堕落と退廃と暴力の日々へ]
[仲間が付き合ってる女の子をぼこぼこにして、さすがにどんびいた時に言われた。言った相手は誰だっけ]
『何言ってんだチェリーボーイ。愛してるから殴るんだ。
愛は最高のスパイスだ。
愛しているからこそこいつの涙が狂おしいほど美味いんだ』
[そうかそうか。それで祖父も父も妻が泣いても根本的解決をしないのか]
[えーまじで?]
[まぁそんな日が長く続くはずもなく。
卒業不可であっさりと故郷に帰り、自分の価値観がかなりまずくなっているのを自覚し、後悔した]
[もう二度と町には出ないで真っ当に生きようと心に決めた。
幸い理性で善悪の判断は出来たし、まともな友人がいて、何よりあの暗い街から見るとはるかに眩いキリルに恋をした。大切で大切で、絶対幸せにしたいと誓った]
[幸せの絶頂だった――]