[ カレンに移した視線は改めて、ケイジへと。
正確には指差された額の傷へ。]
……………。
[ それを黙って見つめていればそこに狐のお面が重なった。
傾けていた首を戻し、声を発する。]
カレン殿、申し訳ないことを致しました。
けれど最近、目の調子はいいですよ。
やはり、はっきりと見えはしれませんが。
[ カルロスの名前が出てくれば、昨日話をした人物を思い出す。]
おや、彼はケイジ様の家の方でしたか。
そうとは知らずに失礼な物言いをしてしまいました。
[ 隷属のことは知ってはいるが。
敢えて口にすることも、知っているとも言わずとも。]