[咳が止まり、呼吸が落ち着いてくると何度か深呼吸を繰り返して]
…っはぁ…。
…利吉さんは、私が、こうなること、知らなかったから。
悪くは、無い、よ。
私が、風下に、行かなければ、良い、だけの、こと。
止めろとも、言わない。
[利吉が謝る様子にはふるりと首を横に振って。
ようやく周りが見えるようになると、いつの間にか居た晴美に気付き、会釈をした。
瑠璃から向けられた言葉には]
あり、がと。
もう、大丈夫、だから。
いつも、ありがと、ね。
[最後の言葉は背を摩ってくれたことと、自分のために怒ってくれたことに対するもの]