傲慢さで足元を掬われるのはもっと嫌だから。[砂の幕は次第に開かれ姿を晒していく。いつの間にか手には一枚のカード。描かれるのは逆さ吊りの男]そう、ですね。念動力と短剣の精製。これが俺の武器の全てですよ。…普段は、ね。[硬い靴裏を通してでも感じる、足元で蠢く何かの感触。どう来るかは予想できない。だからこそ]――『吊られ人の試練』[宣言は一声。カードが呼応し、虚空から生み出されるのは無数の糸。糸は其の空間に存在する人物を見境無く絡め取る。相対する彼女を。そして、自分自身をも]