―― 洗面所 ――
[カルメンのもとを辞去すると、その足で一度洗面所に寄った。
そこにはもう、人影がなくなっていたから]
………早く、私物を見つけませんと。
[手早く顔と手を洗い、水を飲む。
そうしてこっそり服のすそでそれらを吹いた]
まさか、自分が口をすっぱくして毎日禁じていることをやる羽目になるとは思いませんでした。あの子達に見られたら、さぞや私は文句を――
[苦笑して、独りごち、凍ったように動きを止めた。
しばしの後。おそるおそる自分の首もとに手をやり、液晶を引き出して]
00%、Lv1ですか。変わってませんね。
一体、私はこんなところで何をしているのでしょう。
[ぽつりと表情のない声で呟いて、大広間に向かった]