―工房『Horai』風呂場―
[夫の言葉>>502には頷いて、先に風呂場に入れば軽く湯を浴び汚れを落とす
露となった腹の膨らみはよりはっきりと見れ、こんな中でも笑みが零れた。]
あら……少し大きくなったかしら。
[子の成長を喜びながらも、先の事を考えれば溜息が零れてしまう。
どうか無事で――なんて祈りは、届くかどうか分らない。
ふと銀の燭台の事を思い出したが、
今教会に持って行っても受け入れられないかもしれないと思えば、少し心は重くなった。]
……能力者、か。
[湯に浸かりながら、そんな事を考えて呟く。
彼らがそう簡単に出てくるとは思えない。クロエは出てきてしまっていたが…。
それに彼女は死者を視ると言っていた、だとしたら積極的に狼を探すには向かないだろう。
もう一人、占い師の事は気にかかる。
だがそれこそ、当人は危険を察知し出てこないような気がした。]