[人の気配が増える中。
医者の卵である青年は、微笑のまま立ち尽くす。
どこが重点的に痛むわけでなく、
けれどLv.2にぎりぎりとどまっているパーセンテージは、
身体全体に均等にかかっている負荷だと考えていい。
それを表に出さぬよう、ただ見守るような態度をとる。]
(嗚呼、ノーラさんは足かな。
ナターリエさんは右手。
ダーヴィッドさんは胸に進行が……。)
[足を一瞬引きずったノーラを捉えて、
知りうる限り、身体の一部に負荷がかかっている人の情報を整理するのは、医学を志した者の職業病のようなものなのだろう。]