―工房『Horai』→―――……や、ちょっと、照れた、だけ。[妻の朱に染まった貌をちらっと見て、指先で頬を描き、誤魔化すように謂う。胸元がきりっと傷んだことは、妻には告げずに]あ、荷物!!私が持つから……―――[わたわたと差し出す片手。ちなみにゼルギウスの分は背負う鞄であったから、妻の分を持ったとて、手を繋ぐことは出来る。そういうことだけ、用意周到だった。さて、妻は荷物を預けてくれたか否か。宿屋に向かって、2つの影が歩んで行く。]