[ほんの少し息を乱しながら階段を上がり、夢遊病者のように廊下を行く。あけたのは、突き当たりの右のドア。そこに居た姿に、陶然とした目を向けて。]それ、を?[白い彫像のような姿。その手にしっかり握られた小さな鍵に吸い寄せられるように見入った。]