[鋭さを持つとは言え所詮は風][行く手を阻害するものがあれば威力が落ちるのは当然][大半は影に阻まれ、友へと届いたのは刃の欠片のみ]手加減抜きっつったろ。[言葉は軽口めいていたが、隻眸は鋭く友を射抜く][あと一歩][友に肉薄出来る位置まで来たところで展開される、足元から伸びる棘][横へ飛び退ることは出来るが、それでは埒が明かない][そう考え、影の動きを無視し][男は影の中へと一歩を踏み込む][それを軸足として強力な回転蹴りを友へと浴びせた]