――ふ、げほ…ッ…ッはぁ。[咳き込みながら、影の中から半身を起こす。指を鳴らし、全ての影を自らの許へ戻す]…まさか。[挑発的な声には口許を拭って、あくまでにぃと笑みを返し。よろめきながら立ち上がりつつ、右の掌を上に翳し、淡い光の珠を生み出す。例の事件より前にも見せていた筈のそれには、直接的な殺傷能力は無い。ただ足許から伸びる影は、強い光を受けて闇を深める]