こっちもあいたのね。向こうは食糧庫みたいだけど、こっちは……。
[エーリッヒの声のすぐ後、目の前の扉の開く音。鼻をつく薬品の匂い。閉じられていた向こうから、ふわりと空気が身体を包んだ気がした]
医務室?
て。
……こんにちは。
[背後の存在にびくりと体が震える。声をかけられると、その声色に悪い人ではなさそうだと安心したように息をついた。
促されるままに医務室へ入ると、たくさんの匂い。>>792カチャカチャと響く音。瓶のぶつかる音に、湧く疑問。自分のためにしてくれているのだとは判らず、左手で薬棚へと触れた]
薬品庫も、あるのね。この病気のための医務室なのかな。でも、特効薬がないなら、職員さんの?
ここの、私達以外の人って、どこに行ったんだろう?
[ぼんやりと、そんな疑問を口にした]