[黒灰まだらの蛇の身体から、ボロボロと鱗が剥がれ落ちる。近距離で威嚇を受け口腔を見ると、蛇らしからぬ随分と奇妙な牙を持っている事が分かる。]肉食では無いのか?[眉根を寄せながら、集中して飛びかかる蛇を一度避ける。 もう一度弓で地面を叩き、それから弓を床に置いた。 己の後ろ側の廊下には、女性や子どもは居ないはず。 ──握り絞めた矢を、蛇の口内に突き刺すタイミングを。]蛇の首を落とせれば、最前なのだがな。[赤毛が視界の端に入り、口端を吊り上げる。]