はぁん、召喚師か。
こっちとは体系がちと違うようだが。
そんじゃあこっちも行くとするか。
ユエ、頼むぞ。
[相手の傍に現れたウンディーネを見て使う魔法の種類を推測する。ハニーとかなんちゃら言ってるのには、スケコマシか、と言う呟き。そんな様子を見遣りながら、垂らした右手を前へと突き出した]
異界開門、介盟友其力与我。
[男の声に呼応して、喉元に巻き付いていた青銀の龍が左側の肩口に首を擡げる。同時に、突き出した右手の先に現れたのは一本の筆]
五行、土剋水。
喚、庚子辛丑。
[呪らしきものを紡ぎながら、筆を持った手が滑らかに宙を動き。空中に三つの文字を書き記す]
《壁上土》
[宙に書かれた文字は即座に呼び出されたもの──即ち土で出来た壁を作り成す。男へと迫った水の弾丸はその壁へと当たり、相殺した]