― →メリルの自宅兼工房 ―
[何歩か歩を進めて辿り着いたのは、茶器の受け取りのため何度か足を運んでいた場所だった。
呼ばれるままに乾燥小屋へ向かい、扉を同じように通り抜ける]
こんな風になってるんですね。
[完成前の器が並ぶその場所へは、踏み込むのは初めてだった。
しばし物珍しそうに周囲を眺めた後、示された場所を見る]
……わあ。
[感嘆して、思わず、といった風に顔を綻ばせる]
これ、蓮華草ですよね?
こんな形のカップ、初めてみました。
[手に取って、本来の置き方のように返そうとして。
当然のように指はそれを擦り抜ける]