誰にものを言ってる。
[どこまでも態度は尊大]
[言うだけ無駄だと、態度で示した]
……俺とは使い方が違いそうだな。
風と親しみ、手を借りる、か。
[青年の力の繰り方に隻眸を細める]
[使役を主とする己とは異なる手法]
[愉しげに口端が持ち上がる]
[焔の輪を散らし、駆ける刃となり迫る風]
[それに対し右足でダンッと地面を踏み鳴らした]
起きろ、『礫』ども。
[地面から盛り上がり現れる拳大の岩の礫]
[それらのうちのいくつかが風の刃へと飛び、その威力を殺ぐ]
[更に左足で2・3発礫を青年に向け蹴り出し、右足で地を蹴りその後を追う]
[駆けざまに威力が殺がれた刃が、男の頬に朱線を走らせた]