[周囲に纏う紫煙はどんどんその量を増して行く]
そうかい。
…そうだな、力を自由に繰れるのであれば、あるいは。
[何かを思いついたのか、す、と一度隻眸を閉じる]
……風は炎を掻き消すが、炎は風によって燃え盛ることも出来る。
巻き上がれ、そして駆けろ、『獄炎龍』。
[閉じた隻眸を開くと同時にコエを紡ぐ]
[周囲に纏った濃い紫煙は瞬く間に燃え盛り]
[龍の形となり男を取り巻いた]
こいつを掻き消して俺に一撃食らわせたら合格だ。
力負けしたら巻かれるからな、覚悟しろよ。
[にぃ、と愉しげに口端が持ち上がる]
[軽く顎をしゃくると、焔の龍は胴を男に巻き付けたまま顎門を開き、青年へと向かう]