俺は自他共に認める「勝手な人間」なんでな。
[返される真摯な蒼を隻眸は捉える]
[低い呟きは聞こえたか否か]
[焔の奥で隻眸が細まった]
[青年の言葉に応じ唸りを上げる風]
[舞うそれは吐き出された灼熱を防ぎ]
[けれど迫る龍を食い止めるまでには至らない]
…行け。
[轟と言う唸りを上げて焔の龍は風を突き破り青年へと襲いかかる]
[空気を焼き、肌を焼き]
[風を取り込んだ焔は燃え上がった]
[焔の龍が風を突き破るのを見届けた男は]
[継続して吐き出していた紫煙を止め]
[手巻き煙草を口元から離して燃え尽きさせる]
[媒介の煙を失った焔の龍は、徐々に威力を落として行った]