――、そうだね。
流石にこれ以上は握れそうに無いし。
[ぱたり、と。
半ば千切れ掛けた右腕を伝い、白銀を滴って
地へ染みを作る緋色を、見降ろす様に眺め見る。
向けられる切先。其れに対する恐れも、痛みを滲ませぬまま、
一度瞬いた藍は玩具を取り上げられた子供の様に、
僅かに口先を尖らせて肩を竦めた。]
お褒めの言葉、ドーモ。
美人のオネーサンにそう言われるのは、悪くないね。
…折角だし、本当ならもっと熱い一時を過ごしたいところだったんだけど。
[白銀の先から、緋色滴る指先から。
しゅるりと、その姿は解ける様に 銀糸へと姿を変える。]