…、…っ[風に揺れて押し寄せる波に息が上がる。]――…エーリッヒ、…[敬称なく2度、名を呼ばれてとくりと鳴る心音は彼の手へと伝わってしまうだろう。][僅かな迷いを感じさせる彼がいたのなら"甘えていいのよ""我儘でいいの"と瞳は語る。]…教えて、…。他の人に…この先を教えられるより私は――貴方に、…今…[永遠に忘れないようにしてほしい、と願う。それが、私の我儘なんだと、思いながら身体が傾く中、彼の顔を見詰めていた。]