退屈なんだよ、日々の全てが。
[小さく紡ぐ言葉、その刹那に覗くのは、幼い外見に似ず老成したもの。
それでも、それは相手の笑みにすぐに失せて]
力持ちて力を嫌うか。面白いな。
[再び浮かぶ笑みは、三日月が散らした色により深くなる。
それを呼び戻そう、と手を返すのと、光弾の飛来はほぼ、同時。
足に伝わる衝撃が体勢を崩すものの、大きく羽ばたいた六翼の生み出した揚力が倒れるのを防ぐ。
軽く舞い上がり、着地する事で体勢を整えた所に、三日月が戻ってきた。
それを、右の手で受け止めて]
中々、愉しいね。
それでは、そろそろ、本気でかかるとしようか……。
[笑みを帯びた声の、呟き。
強い力が、周囲に渦を巻いた]