/* ―夜・ユリアンの部屋IF>>4:+20―
[窓から獲物を狩りに来た人狼は部屋に漂う香りにスンと鼻を鳴らした。
其れが苦蓬の酒のモノだと分かれば微かに柳眉を寄せる。
窓から吹き込む風に気付いてかユリアンが振り向く気配がした。
片手で彼のくちびるを塞ぎ見慣れたであろう貌を近づける]
――…喰うだけにしようと思ったが、気が、変わった。
お前さんが其れの味をみた分、
俺がお前さんの味を確かめて遣るよ。
[発する声はユリアンにも聞き取れる人の声。
クツ、と咽喉を鳴らし人ならざる力で獲物を寝台へと押し倒す。
鋭い人狼の爪で彼の衣服だけを切り裂いた]
お前さんにも矜持があるなら声はあげるなよ。
男に襲われてる姿なんぞ人に見られたくは無い、だろ?
[耳朶に吐息を触れさせて囁かれる言葉。
其の音色は艶めくと同時に酷く意地の悪い音色を孕んでいた**]