[知って、と甘く囁く言葉に従うようにゆるゆると細い指は絡みつくように触れる。包み込み守るように少しだけ力を込めてみた。][自分にはないもの、与えてくれるもの。全部をあげて、私も貰う。]…、…そう…[何か悟るように呟いて、五指は離れた。気付けばじんわりと汗ばむ身体。頬に髪が張り付いていた。]エーリッヒ…私…きっと、大丈夫。[静かに瞼を落とし、新緑は再び開かれた。]貴方を――受け入れたいわ。