ーとある夜ー[Kirschbaumの屋根に、どかりとあぐらをかいて座る、男の影。散華を始めた桜を片方だけの瞳で眺めていたが、ふと夜空に吹いた風の気配に顔を上げる]疾風王殿も、そろそろ本性が疼かれたようだな。[笑みを佩いて立ち上がる]さて、伝えに行くとするか。今年の桜も見事だったと。[傍らにうずくまっていた黄金の鬣の雷獣が、ふぁさりと*三本の尾を振った*]