[獣の腕により貫かれるパネル。
それを止める素振りも見せずただ黙って眺め。
火花が散ると輪郭のブレを大きくした]
精々逃げ遂せるが良い。
二度と会わぬことを祈っておこう。
尤も、見えたとしてそこの女以外気付くことはないだろうが、な。
[視線をナターリエへと向けて。
彼女の言葉には]
元より留まる気は無い。
終わりにも興味は無い。
”俺”はただ組織の影として動くのみ。
追うと言うが、果たして貴様に追いつけるかね…?
[僅かに挑発的な笑みが浮かぶ。
それを最後に男は身体を影へと変え、周囲の影へ同化した。
僅かに残った気配も、すぐに完全に消えることだろう]