[よろしくと言われても返す余裕なんてない。
オレはただ、がむしゃらと言える動きで相手に襲いかかっていた]
──っ!?
[後ろへと下がった相手に追い縋ろうとして。
相手の声と手の動きに急ブレーキをかけた。
それでも反応は遅かったようで、風の刃がオレの身体を駆け抜けた。
身体が思うように動かないことに気付く]
っぐ……そういや、この身体は──。
[自分の身体では無いようだった。
馴染むには時間を要するだろうことは明白。
オレはその時間を稼ぐべく、少し相手から離れた位置で圧縮した空気の球を作った]
───行け!
[指を銃の形にして、相手へと照準を合わせる。
宣言によって作り出した三つの球は弾となり、相手の額と喉、胸へ目掛けて走った]