……?[ゆる、と進む歩みがふと止まる。視線巡らせた先に揺れるのは小さな深紅。廻る命の象徴思わせる鮮やかな紅の──小さな小さな、薔薇の花]……おや。これはまだ咲いていた、というべきか、もう咲いていた、というべきか。[苦笑しながら手を伸ばす。指先、触れる感触は天鵞絨の如く。それに目を細めつつ、不意に開いた紅を愛でる様子は、どこかゆるりと穏やかに。**]