>>2030孝博[立ち並ぶ墓。その一つ一つに花を添える。あの惨劇で散っていった者、今まで世話になった者。全ての者に花を添えた][歩く後ろをちょこちょこと着いて来る子猫が添えられる花に興味を向け、鼻を近付けたり、前足でじゃれたりしているのを振り返り、小さく笑んだ。もうあれからどれだけの月日が経ったのだろうか。村は相変わらず長閑な時間を過ごしている][ふと視線を上げると、こちらへ駆けて来る子供の姿が見えた。村では見かけない顔。どこの子だろうと首を傾げ、しばし見つめた]