[──ドクン!木々を揺らす風がレナーテの心の奥底に眠る何かを呼び起こす。耳を澄ますと雑多な音が幾つも重なりあう。声はその言葉を伝えず、音は発するモノを伝えず、だが確かにソレはここにある。]……あの時と同じだ。[呟くように口から漏れ出た声の色は狂喜。心の臓、その中心から聞こえる声が身体中を駆け巡る───贄を喰い殺せ、と]