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[寝台を見る]
[それは、少年一人には随分と大きなもので]
[もう一人位は寝られそうなスペースはあるものの]
……
[怯えの色][目が泳ぎ][諦めた様な嘆息]
[少年に特に愛着がある、と言うのでは無いと思う。]
[……分からない。]
[何か重なるものがある。]
[獏としか無い、霧の彼方の記憶]
[其の中に。]
[暖炉に火を入れ]
[カーテンやテーブルクロスを外し][包まり]
[炉辺で丸くなって、横になる]
[赤く照らす火の]
[踊る様に魅入る内]
[浅い睡りへと*堕ちて行く。*]
[ 真円の月の夜、窓から注ぐ光の下に咲く緋色。
眼前の彼女の胸に刃を突き立てる其の感覚は予想していたよりもあっさりとしたもので、其の表情は苦痛に歪むも両の手は迎え入れるかの如くに広げられ、抵抗する様子も無かった。嗚呼当たり前か、月光に煌めく其れを彼に手渡したのは彼女自身なのだから。
――殺してと、最初で最期の願いを彼へと託して。
其の肢体から力が抜け頽れる刹那、妙に冷えた手が彼の頬に触れる。彼女は柘榴石の双瞳を揺らめかせ奇妙に顔を歪めて、其れでも尚も音を紡ごうと緋い口唇を震わせる。其れは何の様な言葉だったか、確か何かあれば崖上の館の主を頼るようにと云われはしたけれども他にも在った様な気がして、然し霞がかった記憶の底に沈んだ声は届かない。]
[ 倒れ伏した彼女を茫とした黒曜石が眺め遣り、カランと乾いた音を立てて濡れた銀色が地に落ちれば緋が舞い散る。生温かい感触に掌へと視線を向ければ同じ色が残り、無意識に口許に手を寄せれば誘われる様に紅い舌をちろり覗かせ其の色を舐めとる。綺麗ないろ。あまい味。――もっと欲しい。
真実を知らされ其の色を味を知れば、其れは睡れる狼の覚醒めを呼ぶ。
混濁した意識の中未だ生の焔を保っていた彼女は何の様な想いで其れを見ていただろうか。黒き獣は淫らに涎を垂らして肉を食んで空腹を癒し血を啜り喉を潤し女を喰らい尽くす。朧な中でも其れだけは厭に記憶に残っていて、此れは過去の夢だと解っているにも関わらず鮮明に蘇り、眼前の出来事の如くに感じ取れた。]
…そろそろ、お休みになられたほうが良いでしょう。
お身体にも障ります。
[広間に一人残っていた少女に声をかけて。
少女を伴い、自室へと*向かう*]
[ 軈て夜が明ければ彼は人間へと戻るも死した彼女は還らず、覚醒めた獣の存在は彼の心の中に燻った。
其の儘獣と成ってしまえれば或る意味では楽だったのかもしれないが、人間の社会で育った彼は獣には成れず、誰に云う事も出来ずに唯耐えるしかなかった。其れでも斯うして現在迄人として生きて来られたのは、愚痴一つ零さず女手一つで彼を育てた母の強靱さを受け継いでいた為だろうか。
然れど其れも一度切り。今斯うして再び獣が起きてしまえば、人に還る事は最早見果てぬ夢を追うに等しい事だろう。]
―ニ階・客室 朝―
[ ――結局、青年は其の最期を目にする事は無かった。
静寂に包まれた此の部屋で、睡りについたのは大分遅くの事。然れど目覚めは早く、結果的に殆ど睡眠は取れていない。眠気は無いのに躰は休息を欲している様で、揺らぎかける頭を押え緩々と首を振り、寝台の端に腰掛けた。
昨夜の服装から上着だけを脱ぎ胸元を緩めた白のシャツの下、先日程では無いにせよ僅かに汗ばんだ肌の感覚がぞわりと背筋を震わせ、黒曜石の双瞳を伏せ床を見詰めれば睫毛の作りし影が頬に落ちる。]
[ 遅くになったのは当然ながら、狩りの所為が大きかった。
緋濡れの体躯を拭いた上着は既に崖下に棄て、闇の彼方に堕ちていった。人目に付かず館内に戻り後始末を終えるのは少々骨が折れたが、久々の食事を済ませた事による充足は得られた――が其れと同時に訪れたのは理由の解らぬ喪失感。
其れに途惑いを覚えながらも夢路を辿れば、女の死に様に過去の記憶が想起されたか、夢に見しは彼の夜の事。然し其れは朧気で所々が抜け落ちていた。まるで何かが思い出す事を拒否するかの如く。彼程麗艶なる光景を忘れるとは口惜しいと獣の彼は云うのだが。]
[ 使用人の部屋からでも取って来たのか、卓上には紙巻き煙草が一箱と硝子製の灰皿。侍女が居たのならば室内での喫煙を咎められただろうし、普段ならば青年も外で吸うのだが、現在は出る気には成れなかった。シガレットを指で挟み、先を銜えれば安物のジッポのホイールを回して着火させる一連の仕草は既に手慣れたもの。
微か開いた薄紅の口唇の間から吐き出される煙は開かぬ窓の外へは逃れる事も出来ず、暫しの間宙を漂う。通風孔が在りはするも矢張り喫煙には向かない環境で、普段彼が吸うものよりマシだとは云え、煙草特有の其の匂いは青年だけでなく軈て部屋中に染み込んでいく。]
……。
[ 喫煙の合間微か唇を動かすも声とは成らず、其れは他者の耳に届くことはない。煙草を持たぬ片手を躰の後ろに突いて体重を預け足を組めば、思考を放棄したかの如く遠い眼差しを遙か彼方へと向け、*唯、静かに紫煙を燻らせる。*]
[ 部屋に戻る最中、服を探す序とは言え態々斯うして煙草を取って来たのは、単に血臭を誤魔化す為か理性を保とうとする意志が在ったが為か。]
[ 紡ごうとしたのは母親の名か同族の名か、或いは其の両方か。
然し仮令如何なる こえ が返って来たとて最早彼には きこえず 、此岸の生者たる青年は彼岸の死者の行方を知る事は出来ない。彼の巫女とは異なるのだ。
彼の眸は深き闇か冷き月か前髪に隠れし其の色は彼自身にも知れず、]
……ハ、
[口唇が歪みを抱き奇妙な笑みに象られれば洩れるのは嗤い聲、或いは嘆き声。
結局、彼には大切なもの等無く、傍に在りしものすら無い。家族を喪い同族を喪い、次に喪うは人としての理性か獣としての矜持か。唯解るのは、覚醒めし獣の欲望は未だ尽きはせず、寧ろ増長しているのだと云う事。
其の焔は全てを灼き尽くす迄、或いは己の生の焔が喪われる迄消えはしない。]
/中の人/
そう云えば煙草の紙箱という意味でシガレットケースと云っていましたが、実際には其れを入れる革等で作られた入れ物だとかを指す言葉ですね。失敗。
後、描写は適度にぼやかした方が後々楽かもしれない。
/中/
【現状認識】
”人狼”が怖くてプチ篭城中。ゆえに広間での出来事を知らない。
→ローズマリーはルーサーに鳶を占うと告げている。
→鳶はそれを知らない。
→ナサニエルが人間と保障された事も知らない。
→コーネリアスが人狼と告発された&処刑された事も知らない。
→ローズマリーは襲撃後ナサニエルが部屋に連れ込んだので、その死ももちろん知らない。が、血濡れの彼を見れば想像は付くか?
ギルバートは眠った時も目覚めた時もいる&自分が襲われてない事から安全と信じている。
【心のメモ】
ローズマリーの死は誰のせい? 襲ったにしろ守れなかったにしろ、ナサニエルのせいか?
占われようとしたと知れば、お姉さんに疑われていたのかとショックを受けるだろう。
ミルクに毒を入れたのは、父さん母さん…?
−客室−
[部屋は十分広いとはいえ、人影を見つけるのにはさほど難しくはなく。崩れ落ちた熾がけぶる暖炉の傍で、大きな布地に包まり眠る青年の姿に、ほぅと安堵の溜息。]
…お兄さん……?
[小さく小さく呼びかけるも、返事はなく。よく眠っているのだろうと、起こさぬように静かにベットから滑り降りた。]
……ぁれ?
お兄さんの…寝言じゃ、ない……?
[――目覚める原因となったはずの、声。
今思えば、それは、メゾソプラノのように高く、尾を引いていたような気がして。すぅと血の気が引く。]
まさ、か。 また…だれか……?
[明らかに震えながら、それでも部屋に閉じこもるのではなく、確かめに動いたのは。陽の光に既に魔が追い払われたはずの時刻だったからだろうか?]
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