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ユーリにぃ。
[ユリアンの声に、泣きべその顔を向ける。
遺体はなるべく見ないようにしていたから、質問にはゲルダの顔を見上げるだけで]
…そう、です、か?
[ゲルダは大丈夫というけれど、何故だか安心はできなくて。
服を掴んだ手はまだ離そうとしない]
[目に入る、部屋の状況に、蒼を一つ、瞬かせる。
広がるあか、それが意味するものは明白で。
そんな中、疑問の呟きにあっさりと答えたゲルダの様子に、何を言えばいいか、一瞬わからなくなって]
……て、おま。
大丈夫、か?
[口を突いたのは、困惑した問い]
あは。
頭を撫でてあげたいところですが、
あいにく、手、汚れちゃってますね。
[ロミルダに視線を落として、困ったように笑う。手を無理に振り払うことはなかった。
日常的な素振り。部屋の光景さえ、なければ]
……大丈夫って、何がですか?
[ユリアンに小首を傾げて問い返す]
大丈夫、ですよ。
[泣きべその顔を顔を向けるロミルダの様子に、眉を寄せる。
鸚鵡が、案ずるようにくるる、くるる、と鳴いた]
いや、ええと。
[ゲルダからの問い返し。
逆に、返答に困る]
あんまり、大丈夫に見えないから、そう、聞いたん、だけ、ど。
/*
あはははははは。
緋月ん時もそーだったんだけど。
……俺、あれだな。
「喪失でこわれたおにゃのこ」が苦手なんだ、本質的に。
対処が思いつかん……orz
……そう、ですか?
[さらに首は傾ぐ。
視線がさ迷って、ほんの一瞬だけ、表情が歪みかけた。
けれど、]
気のせいですよ。
[次の瞬間には笑みに戻って]
案外と心配性ですねえ、クロイゼルングさん。
[ねえ?と、鸚鵡に同意を求めた]
…はぅ。
[大丈夫だというゲルダと、大丈夫じゃないというユリアンと。
2人を困ったような顔で見比べて、ロートスを見て、それから服を掴んでいた手を*離した*]
気のせい、って……。
そう言われて、はいそーですか、って納得できる状況なのかよ、これっ……。
[床を染める紅、倒れた者。
昨日もあった、異変]
こんな状況で、普通にしてられたら、心配性とかそんなの関係なく、気になるだろって!
[困惑はあるけれど。
危ういのは何となく感じているけれど。
言葉を綺麗に飾れるほど、器用じゃないから、思うままにしか言葉は紡げない]
―二階・エーリッヒの部屋―
[どれくらいそうしていたのか。
掛けられた声に驚いてそちらを見た]
ロミ、か…
[まだ幼い子供は涙を零しながら、それでもゲルダを気遣いここから離そうとする。
ここを頼む、という声に頷いて]
ゲルダも、向こうで休んできたら…
[いいかけて、その二人の後ろにもう一人やってきたのを見つけた]
ユリアン…エーリッヒが…
[それだけを告げる。
それ以上は言わなくてもすぐに判ってしまうだろうから]
―回想。昨夜―
いや、俺は男女差別しないやつだしな
[なんてゲルダに、ローザにも言ったことを口にする。とはいえ言わないならば自分がいうつもりだったが、ゲルダは湾曲的にダーヴィッドへと説明を聞いて]
ま、一応流民だしな。商売も生計を立てる一つとしてやってるよ
[と暖めたスープを飲むダーヴィッドにいいつつ、ゲルダの説明だけでは不足だったようで、促す言葉には頷き。やっぱりざっくりとしたことを伝えた]
[そしてしばらく調理に没頭…なのだが]
………しまった……無計画すぎた…
[当人も無自覚の内にさばかれた山盛りの魚。ってかこれどんだけあるんだよとか。どれだけ捌いたんだよとか。とてもじゃないが食える量じゃない。もう色々突っ込まれそうだが、...としては一番突っ込みたいのはこんだけさばいてもまだ豊富な備蓄だったりもする]
…刺し身と…煮付けと…潮汁…焼くのと…
[そのままのわけにもいかないと色々振り分けて作ることになって]
…疲れた……じゃ、カーラ、いこっか
[と食事を待っていたのであろうカーラに声をかけ、広間へと誘った
…ところで、食べさせるときに、なんでかひな鳥に餌付けをする図が浮かんだりしたのは秘密である]
とりあえず、手、洗いに行きましょうか?
[手を離したロミルダへの問いかけには暢気な響き。
しかし声をあげるユリアンに、ターコイズグリーンの眼を瞬かせた]
……だって、
[間を置いて紡がれるのは、言い訳めいた口調]
しょうがないじゃ、ないですか。
壊れちゃったんだから。
もう、戻らないんだから。
[俯き加減。睨むのではなくユリアンを見上げる]
お嫌いでしょう、私の事なんて。
わざわざお気にかけて頂かずとも、結構です。
[突っぱねた言い様の割に、覇気はない。
部屋を出ていこうと、一歩踏み出す]
怒ってるよ?
独り占めされちゃったもの。
[何処か冗談めかして、娘は答えを返す。
どちらが演技なのか傍からは分からぬ素振り]
まあ、でも、仕方ないよね。
[そして食事を取りながら…内心他のやつも食べて欲しいと思いながら尋ねる面々に自衛団員の話をする]
妊婦を見て…手を差し伸べないやつらだぞ…既に一般的な判断なんて…するきないんだろ
[とそれ以上何もいえなくなるハインリヒに。
そしてロミルダにはどう伝えたものかと最初思ったが、事態が事態。隠すことのほうがむしろひどいと。彼ら彼女らと同じように説明して]
気遣って言うのは苦手で、すまんな
[と一応いうものの、意外に冷静にみえるロミルダを少し不思議に思いつつ、カーラの歌を聴いたり、他にも聞くものがいたりしたら答えた後、自室へと戻った]
―回想終了―
[平静を装うゲルダは、それ故に大丈夫には見えなくて]
大丈夫じゃないだろ、お前。
[彼女がエーリッヒを慕っていたのは判っていたから]
ユリアン、その二人を連れて行ってやってくれないか?
ここは…きついだろうし。
後…他のやつらにも報せてきて欲しい。
オレがここにいるから。
[どこか儚い葦笛の音を聞きながら眠りにつき。
一夜明け、微睡み続けようとする身体を寝台から引きはがす]
…ん、無事か。
今日は皆、どう動くかねぇ。
[ぽそりと呟きながら、身支度を整え、紅の服を纏う]
…そろそろ俺も、頑張るべき、か。
あぁ、めんどくさいけど仕方ないか。
[一つ伸びをした後、部屋を出た]
そりゃ、そう、だろうけどっ……。
[壊れちゃった、という言葉。
もう、戻らない、という言葉。
それが感じさせるのは、形のはっきりしない苛立ち。
それは、何故か痛みを伴う。
それを振り払うように、ふる、と首を振って]
……そりゃ、お前は俺に気遣われたくはないかもしんないけどな。
んでも、俺は「嫌い」とか言った覚えはねぇかんな……。
[自分でも子供っぽい主張だとは思いつつ、それだけ言って]
……ロミっ子、そっち、頼む。
[困惑している様子のロミルダに、声をかけた]
気が付いたのか…あいつの…
[肩に咲いた朱い]
あれがここまで魅惑的だとは思わなかった。
気が付いたら…すまなかったな。
[残しておかなくて、とは言わなかったが]
ああ……報せには、行って来る、よ。
……これ……ここ、このままにも、できない、し。
人手、いる、もん、ね。
[ハインリヒの言葉に、一つ、頷く。
鈍い痛みは、まだ続いていて。
言葉の最後には、と短く息を吐き、軽く額を押さえた]
……っつ……あったま、いて……。
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