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< そして、それから、アーベルを見ました。
ただ、じっと見ました。
とがめるわけでも、ありませんでした。
ただ、しんぱいそうでした。 >
そのあたりは交渉次第ではないですか?
お得意なはずでしょう。
最も、手札がまるでない状態での交渉は厳しいものだとは思いますけど。
ブラフか力押しか。それとも起死回生の手段を思いつきますか?
とりあえずは席につかないと始まりません。
[他人事のように軽い口調で。]
……、
[ふ、と。]
[無機質な睛に宿る][感情のいろ]
[視線を向けられて]
[竜の傍に居る白猫へと歩み寄り、]
此処には居ない方が好いよ。
[抱き上げようと。]
……どうして?
< 猫の声は、ただ、アーベルに向かいました。
抱き上げられるのは、こばみませんでした。
ただ、少し悲しそうに、寂しそうに、ないただけ。
言葉に抵抗するような動きは、ただ、その腕を舐めようとするだけでした。 >
止める方法…
[傍らの機竜も、何も答えず。]
管制室までいければ、ドロイドは止められるか?
[いけるかどうかも、そも止められるかどうかも判らなかったが。]
……、痛そうだから。
此処に居ると。
[ちぐはぐな言葉。]
[己が害を為した存在だと、]
[危険を及ばせているのだと、]
[まるで理解していないかの如く]
[ざらついた舌の感触]
[目を眇め、動きが一瞬止まった。]
さてさて得意だったかは忘れたね。
手札と成り得るものがあるかどうか。
彼の竜の望みの根底には何があるのか。
それが分かれば何か浮かぶかも知れないが…。
ちぃと考える時間は欲しいかな。
[身体を起こし、座った状態のまま。腕を組んで考え始める。もう一度機鋼竜についてを頭の中で整理し。その途中、降って来たヘルガに押しつぶされることに*なるだろうか*]
[その頃。
上空を旋回せし白梟は、場が落ち着いたのを確認して。
軋みによりひび割れし氷の窓のから現れ、羽ばたき一つ]
『あ…白梟殿。どうか彼女を…』
[押し戴く藤色を差し出して、私は希う。
なれど返るは否定のそれ。力失いし昏りは傷を癒すとは別なりと]
『なれば…少しでも構いませぬ、私が喉を…願えませぬか』
『せめて眠りなりと安らかに…』
[ばさり、大きく羽ばたくは了承の印なりや]
< 痛いというのは、足のことかしら。
猫はその足を動かそうと、したのですけれど。
あんまり、動こうとしてくれませんでした。
かわりに、大丈夫だよというように、もう一度なきました。
舐めたあと、そっと頭を腕にすりよらせて、 >
ここに、いちゃ、駄目?
< 意味が、伝わって欲しいと、思いました。 >
/*
ヘルガ落ちてるっぽいからどうしようかと思ったが、やっぱりやりたいのでやっておく(おまえ
まぁお約束だよな!
*/
[銃を仕舞った後、ばたーんと倒れる
どうやら、気力で抑えていた右腕の激痛が限界を超えて意識が自動シャットアウトした様子
脂汗ダラダラ]
お、い…!
[機竜や猫の様子をじっと見守っていたが、銃をつきつける赤い彼女がバターンと倒れたのを見て、手を伸ばす。
そっと、けむくじゃらの手を背中と床の間に差し込み]
< 猫はかなしげに、なきました。
でも、それでも。 >
無理しちゃ、駄目だよ。
いたいのは、駄目だよ。
悲しいのも、駄目だよ。
みんな、で、笑えるように、ね。
< 猫のことばは。
もっと単純で、もっと、短くて。
でもそうやって、言いました。
それは、ここの、今、自分を抱いてくれている、腕。
アーベルも、傷つかないように、というねがいごと。 >
[物音。]
[足を止めて、振り向いた]
[熊に抱き起こされる少女へと近寄り]
……だから。
痛いなら、此処に居てって、言った。
[助力して下された白梟殿に、私は深く礼をして。
ソファーにお座りしている碧の獣の傍らへと腰掛けて、藤色の羽竜を両手で守るよに膝へと乗せる。
背凭れに身体を半ば預け、紡ぎ出すは――幼き麒麟の為の音。
未だ五音に至らぬ、三音の――優しくも易しき歌]
……―――…――
[喉に負担をかけぬよう、私は静かに柔らかく歌う。
眠る羽竜に、側に在る愛しき魂に、そして…遠き*無垢なる器へと*]
< 猫は、しんぱいそうに、一度、ミリィを見ました。
マテウスの行動に、少しほっとして、
アーベルを、見上げました。 >
……一人じゃ、ないから、ね。
< わかってほしい、かなしさの声。
そして、ぎりっと、きずぐちが痛みました。
無理矢理かんだ、その場所が。
痛くて、そのまま、見ているものが、*ぜんぶ黒くなりました* >
[無事な者、消えた者。交わされる言葉は、安堵と不安が混じる。
なれど掛けられし声は、静かに、穏やかに…私の心を満たす]
……はい、お帰りをお待ちしておりまする。
なれど…どうかご無理なきように。
[「心配しないで」
そう告げる声に、私は穏やかに啼いて応える]
[やがて声を取り戻せば、幼き麒麟の歌が*優しく響いて*]
…突破、厳しいかな……。
[壁にあった避難経路の見取り図を眺めて。]
[機鋼王の解放、あるいは、それを代行できるほどのものによる、システムの制御及び安定化。
だがそれも、状況を作るには不確実で。]
壊したくねぇんだよ、な…。
[【破壊】の【番人】。
それが火竜たる己の使命で。
本当にそれ以外手立ての無い状況までは、全てを壊してやり直すなどしたくない。]
―廃棄エリア・第一集積所―
[寝返りを打った。
がらがらがら……
スクラップの山が崩れて、雪崩れのように床に落ちた]
[起き上がった。
辺りを見回し、状況を把握するまでに少し時間が掛かった]
マテウスは、ミリィをお願い。
此処に治す事の出来るものは無いから。
……直す事は、出来ても。
[命在りしものと無きものとの違い]
[抱きかかえた白猫]
[少女を支える熊の腕]
[その感触を思い出したか、]
[表情が歪んで]
[柔らかな毛並みに触れかけ]
[しかし、触れずに終わる]
[ぐるぐると、頭の中で、様々なものが巡る]
[感情の昂ぶり][抑え][入れ替わり]
[幾つもの意識があるようで]
[*他者の記憶ばかりを奪ったが故に*]
[倒れて、マテウスに抱き起こされるミリィ
意識なく、汗も止まることなく
その頬にぱきりと*木の根のような筋が走るか*]
[転がっているモニタ。
アトランダムなノイズの趨る映像は、新たに廃棄エリアに送り込まれた者達の、転送前後の様子を記録していた]
……へえ。
[欠伸のような感想。
ぐりぐりと首を回してファクトリーエリアに向かう]
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