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――自室――
[誰かが悲鳴をあげた気がした。
それは隣の部屋から響いた男の叫び声だったかもしれないが、まどろみの中でユリアンは思う。
――いやいや気のせいか、そうでなかったら性質の悪い夢さ。
今の自分はもう、ガラスの破片を握りながら建物の隙間で夜を明かす13歳ではないのだから]
ふぁ…
……よく寝た。
[死んだ者のいろんな事が見えると告白した、エルザの真剣な瞳。
言のみを取れば、怪しい物言いで神秘性を醸し出し、料金を高く得ようとする占い師のそれだ。笑って聞き流しても良かった]
[書斎への廊下を歩く。
部屋の棚の引き出しに入っていた、綺麗な銀細工の施された手鏡を取り出す。
さっき蒼いと言われた顔を映すと、もうそれほどでもないようだ。
鏡をつんつんと、つついてみた。なんらかの応えを期待するかのように]
・・・・・・。
[書斎近く、人影に気付き少しびくりとする。
それがアーベルだと分かると、小さく息をついた。なんだか、今朝とデジャヴだ。]
[だけども彼女の言葉に耳を傾ける者達の真摯な態度、何より本人の声の調子がそうはさせずに、黙って聞きながら更けていった夜。
自室に戻った後も物覚えが良いとは言えぬ頭は、くり返し彼女の発言について考えようとしていて上手くいかず時間だけが過ぎた。
だから目覚めるには遅い時間にようやく目を開けた時、騒ぎにはまだ気付いていなかった。
たっぷりとした睡眠をとることに慣れ始め、ぼんやりする頭]
ん…そうだ、せっかくあるんだから…
起き抜けに風呂に入ったって、誰も怒ったりしない。
[使い放題の熱い湯に体を浸し、だんだんと目も覚めてく]
[浴室から出て、着替えを求めて箪笥を開ければ変わらずそこに、場違いなナイフがある]
…そうか。
[見る度、どうしてこんなにも胸を騒がせるのかと不思議だった。
気がついてみれば簡単な理由]
親方ん家にある果物ナイフに似てる。
[刀剣も扱う者の見栄か、無論豪華さは比べるべくもないけれど似ていた。太い刃もいやに大きな所も、果実の意匠が施された柄も。
まだその男の理不尽な暴力をうまくやり過ごす事を覚えていない頃、そこを出れば生きる術も無いという事実も忘れ、ただ本気で想像したものだった。これであいつを殺してしまえば、と]
やれやれ…
[心がささくれ立って当然、むしろそうでなくては生きていけない薄暗い路地での生活。
自分は争いごとを嫌う父の血に似た、もうちょっとまともな人間だと思っていたと悩む気持ちもすぐに忘れ…
食べ、生き、少しでも幸せを感じるためなら何でもやろうと思った。
あるいは警戒心を薄れさせて人攫いに遭ってしまうなどという仇になったかもしれないが、それでもアーベルやシスターと神父に出会えて、またまともな人間としての心を取り戻せたと思っていたのに。
行き着いた先の鍛冶屋では呆気なく、そんな衝動が生まれたのだ]
…俺って結局、最後の部分じゃ天国には行けない奴だよな。
[――だけども優しい人々に囲まれている今、自分も善良な心根で居られている気がする。
箪笥の中から、よく見れば細かな縫い取りが施されてはいるけれど、結局しっくりくる緑色のシャツを選ぶ。
着込みながら、そういう自分が少し嬉しく姿見前で微笑んでみた]
――二階廊下――
食べ物相手にニッコリしてた方が、まだましってものだよな。
さて…
[この頃は一階に下りればいつも良い匂いが自分を迎えてくれる。
うきうきと扉を開いて、だがユリアンは顔を顰めた]
何だ、この匂い?
[匂いの元はすぐに分かった。
空き室のはずの左斜め前の部屋から…
それとも部屋に向かって?
どちらかは分からなかったが、点々と廊下から階段に続く染みは、乾いた血の色をしていた]
…誰かが怪我でもしたんだろうか。
[いやな音をたてる胸を肌触りの良い服の上から押さえ、一階へと下りて行った]
投票を委任します。
シスター ナターリエは、神父 クレメンス に投票を委任しました。
[アーベルは書斎から出てきた様子。
気配を消しているだとかは分からなかったが、なにやら慎重に見えた]
アーベル。・・・こんばんは。こっそり、どうしたの?
……っと。
[書斎から少し離れてあれこれと考え込んでいる間に、逃れてきたシスターが出てきたのが視界の隅を掠める。
直感が、奇妙な危機を告げた]
……気づかれる前に、撤退。
[そんな呟きを漏らしつつ、足音と気配を忍ばせて広間へ向かおうと思った矢先、声をかけられて]
……って……あ、ああ。
いや……なんでも、ねぇ。
[シスターから逃げてきたというのは、さすがに情けなく。
つい、言葉は濁された]
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