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[自分を『おれ』と言うフユに僅かに目を伏せ]
……そう、ですか。つまり、考えたくなかった最悪の結果、って訳ですか
[そう呟くと、キッとフユを見つめなおし]
悲しいけど、先輩をこのまま放っておく事は出来ません
……死んでください
[そう言って引き絞った矢をフユに向けて放つ]
―校舎・一階廊下―
[階段を降り切れば、そこは職員室へと通じる廊下]
あれ、だれもいない…
[と、その先から届いた違和感。
否、それは焦燥感や嫌悪感に近い]
…ふぅん。
[立ち止まる。
その先を封鎖するかのように]
気をつけろ、ね。…善処は、するけど。
[どうかな、とマコトの言葉に小さく苦笑を零して。
マイコの問いに、僅か眉を寄せる。]
…俺が出来るのは、したのは──殺された後の事だから。
殺したのとは、大分違うと思うけど。
[あんな痛々しい状態で放置出来るよーな人間じゃないの俺は。
小さく呟きを相手へと返しながら
あぁ、やっぱり人前でやるんじゃなかったな、とぼんやり考える。
ショウの呟きには、気付かないままで]
[どれくらいの間、その闇に包まれていたのだろうか?]
[ふいに緋い緋い闇が晴れれば、真っ先に目に入ったのはふぅわりくるりと散る薄紅。]
[彼女は小さな笑みを浮かべて、薄紅へと手を伸ばす。]
[薄紅は、彼女の掌をすり抜けてさらに落ちていく。]
[その先を視線で追えば、大輪の緋の華が咲き誇っていた。]
悲しい?
そう、悲しいんだ。
悲しんでくれるのは嬉しいけど
[榎本芙由が平素そうしていたのと全く同じ口調で。]
それは出来無い相談。
[水月海の放った矢を、宙で掴んだ。]
弓矢っていうのは案外弱点が多いんだよ。
アンタの向いてる方向と、弓の向いてる方向を
よく見ていれば、何処を狙っているか分かるし。
矢だって無尽蔵じゃないでしょう?
/中/
兎猫は今日までが余裕ある日程なので、連戦でも構わないのですが。他の人だってバトルしたいんじゃないかなぁと、堕天村と同じようなことで悩んでいてみたり。
それでもリアル大事にですしね、各務先輩が大丈夫ならやってしまうのもありかなと思わなくも無いのですよ。
でも各務先輩もあまり遅くなると拙いんじゃないかなぁ。
ねぇ、たすくさん?(これでまた間違ってたら大馬鹿ですね!)
あ、桜の他二人でも起こせたかも?
だとしたら余計なメモでごめんなさい〜!
[ショウの声は聞こえたけれど、アズマの返答には首を傾げるばかり]
死んだ後?
んー……ちがうかなぁ
[よくわからなくなって。
だけれど 彼は違うものだ と、頭の中にそれはこびりついて]
だって、そういうわけのわかんないことしておいて。
ほんとうに、人間なんですか?
[ゆるく首を傾げた。]
[一時、俯く。
それから、顔を上げた。
声は聞こえているのか、いないのか。
顔を、歪める。
マイコより前に出て、アズマに近づいて]
オマエが、―――そうなのか?
[疑心暗鬼は、深まるばかり。]
─校舎一階・廊下─
[外に出た矢先に、感じた気配。
研ぎ澄まされた感覚は、それが何かを端的に伝える]
……『憑魔』……。
[呟く周囲に、風がゆる、と渦を巻いて]
そこを……どいてくれ。
[ゆっくりと歩みを進め、そこに立つ者へと静かに告げる]
[鍵を開け、道場に入る。射場の脇に立てかけられた練習用の弓には目もくれずに、奥の倉庫に向かった]
…………
[ぐるりと見渡し、配置が二年前と変わっていないことを確認する。そうして、部員達が置いている荷物や、折れた矢を溜めこんである箱を退かすと、一番奥に置かれた、埃を被った桐の箱を引っ張り出した]
[力なく前に投げ出された足。]
[真っ白なTシャツは引き裂かれ、抉れてた左胸から滴る血。]
[青白く透き通る頬と青ざめた唇。そして、虚空を映す瞳。]
[ゆるく纏め上げていた髪は乱れ、さやかな月明かりを受け光る。]
そうだった……私は、殺されたんだっけ。
[そうして、声を上げ笑い出す。]
なんで、こんな単純なことすら忘れてたのかしら?
ツカサ。
[廊下に出てきた影。
マコトの姿をまっすぐに見据えて]
やだ。
じゃましてほしくないし。
[渦巻き始めた風に眉を顰めながらも動かない]
[マイコの言葉に、一瞬、言葉が詰まる。
人間なのかなんて、──自分が聞きたい。
決して「人間」が持ち合わせる事の無い力を持って、
それでも、自分が人間だという保障も、無い。 けれど、]
……少なくとも、
…俺は人間を辞めたつもりは、無いよ。
[ただ、短くそう告げて。
と、歩み寄るショウに、緩く瞬いた。
如何したのかと、問う前に発せられた言葉に
僅かに、目を見開いた。]
───、センパイ?
――これは現実?
いや……現実であろうと非現実であろうと、彼女に殺された、それが真実、か……。
[不思議と平穏な気持ちに包まれる。半身ともう生きて逢えない、ただその事だけが悲しかった。]
[箱の紐を解き、中に収められた一本の弓と、五本の矢を取り出す。それは二年前、自分自身が部に寄贈した弓矢だった]
[弓は、竹の弦を強く巻き付け、強度を増したもの、矢には競技用では有り得ない、返しのついた鋼の鏃がついている。刀で言えば真剣…本来は観賞用…或いは、特別な祭事にのみ使われるものだ]
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