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ヴィント、おま、何考えてんだよっ!
『フェーンよりたくさんのことー』
お……お前なぁ……。
[何となく、頭痛を感じているらしい]
/中/
いいかげん、お前等はっきりせえよ、というか、はっきりしないと先に進まんだろう、とか思う訳で。
さて、ユリアンに気付いた後のコース
1.逃げる(追って来てくれないと殴る)
2.固まる(放置されたら泣く)
3.抱きつく(有り得ない)
4.エルボースマッシュ(男キャラだったらやってた…)
[目に入ったのは、ユリアンの相棒のネズミで]
こ、こんにちは。
[ヴィントがここにいる、ということは、当然ユリアンも近くにいるわけで。思わず少女は視線を彷徨わせる]
「あの、ユリアンも、いる、のよね?」
[心の中でヴィントに問いかける。どっちの方向に逃げたらぶつからずにすむのだろうか、などと、慌ただしく計算しながら]
[広場に繋がるひとつの入口。
視界に入ったふたつの影にそれ以上足を進めることはやめる。
多少近い距離に居た為か、意識に届いたミリィの言葉]
…『手の届かないものを、それでも諦められない』、か…
そうだな、その通りだ。
私には到底、手に届く筈も無かったんだ。
…私は、所詮……
[意識を遮断し、二人に届くことはないように。
静かに目蓋を落とし俯いて]
……せめて……
[その言葉に続きは無かった]
[少女の問いに、ネズミはきゅ、と頷いて]
『いるよー。ほら、あっちー』
[言いつつ、来た方向を振り返り。
それから、気配に気づいたのか、騎士の方を見やって瞳をきょと、とさせ]
[挨拶されたネズミは嬉しそうにきゅ、と鳴いて、意味ありげに相棒を振り返り]
……っとに……。
[そんな相棒の様子にため息をつきつつ、そちらに近づいて]
よ……。
[後が続かない]
[“妖精”]
[非現実的で、非常識だと思う。しかしこれが夢だとも、思えない。
日記を書こうと、机に向かって――筆は進まずに。くるり。ペンを回す]
[ほんの数十分前まで、馬鹿な話をしていたのに。
目の前で、エーリッヒの姿は消えた。光に、包まれて。
自身のはとこだとは言え、迷惑で騒がしい男で、悩まされてばかりだった。
それでも、消えていいと思える人間ではない]
『……どこにいるのやら』
[ペンを倒して、考える。解らない]
[自分には無関係だと――そう、思いたい、のに]
[何時ものように目覚め、何時ものように母と共に朝食を取る。
此処に来てからの、毎日の習慣]
[エーリッヒの失踪の件は、未だ、彼女には伝えていなかった。彼から口を開く事はなく、食卓には食器のかちゃかちゃという音ばかりが響く。普段はお喋りなフィリーネも、何か思うところがあるのか、我が子に声をかけはしない]
……御馳走様でした。
母上、本日も、外に出掛けて参ります。
[無言の儘に食事を終え、母にそう告げる。
彼女はほんの僅か困ったような微笑を浮かべ。あまり遠くへは行かないようにと、母親らしい言葉を述べて、その場を後にする彼を見送った]
[ヴィントが此方を見た気配に気付いて。
自分の口の前に人差し指を立てて、しーっ、と]
…折角なのだし、邪魔しない方が良いだろう?
[意識の窓をヴィントにだけ開いて、そっと囁く]
って、ちょっ!
[いきなり逃げるように走り出されて、さすがに驚いて]
ど、どーしたんだよっ!
[追いかけた。多分、反射行動]
[聞こえてきた声に、ネズミ、また瞳をきょと、とさせて]
『……こんなに気つかってもらってるのに。
情けないよねぇ、フェーン』
[さくっとミもフタもない物言い]
[どうした、と聞かれても、明確な答えが少女の中にあるわけではなく、ただ、正面から顔を見たら、何かとんでもないことを口走ってしまいそうな気がしただけで]
な、なんでもありませ…きゃあっ!!
[また、コケました]
[昔祖母に聞いた、楽しくて、面白そうで、とてもワクワクした…
――――――――の、とは大分違うけど]
[この村に来た当初は、妖精を見てみたくって
色々探したりしたは見たけど会えなかった。]
[それが今…もう信じてはいなかった時にこういう自体になるとは…]
[青年はそこまで考え苦笑する。]
…………けど、どうやって探せばいいんだかね?
[今まで攫われたのが団長やエーリッヒと言うことで、
妖精はどうやら人型の姿をとってると考えられる。
(そうでなければ、人間を攫うことはしないだろう)]
[ただ、かなり実力行使な攫い方から、
なんとなく穏やかざるものを感じる。]
………………金の光球と…そう言えば銀の光球……
[昨日の出来事を思い出し、情報になりそうなことは無いか考えた時思い出す。
金の光球は空から…だったが、あの、銀の光球は何処からきた?]
[くく、と表に漏れそうになる声を何とか留め]
確かに少々じれったくもあるが。
まぁ、こういうのも良いのではないかな。
時間はまだ、そう少なくもないだろう?
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