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―会議場―
……、一体何が。
[会議場に足を踏み入れるものの、
一足先に行った筈のノブ以外に見当たらず、眉を寄せる。
ふと、大きく夜空の覗く会議場に影が走り。
反射的に見上げた視線の先に、白と黒を捕らえた。]
――ディーノ、と。…カレン?
[ポツリと、零れた言葉は僅か驚愕の色を持って]
大丈夫だよ。そこら辺は外乱含めてちゃんと計算してるから
理系を嘗めちゃいけないよ
[こちらも冗談とも本当ともつかない言葉で返し(まあ実際本当に計算してるわけだけど)、繰り出される蹴りにニマリと顔を歪めると]
出ておいで、ポチ
[そう言うと、腹部から【肌色の鰐】が出現し、乱杭歯でディーノの足に噛み付こうとする]
[足音を抑えて音のした方へと向かう。
視界の先は大きく破壊され空さえもが見えていた。
その手前には何人かの影が認められ]
…………。
[少しばかり離れた位置から上空を振り仰ぐ。
上空には対峙する白と黒の翼。
目を細めてその様子をじっと見つめた]
/中/
はいはい、何処ぞの死祖二十七祖の第十位って突っ込みは受け付けません
だって、獣っつったら666でしょ!? それ以外ないでしょ!!?
……うん、ごめん
理系文系ってー問題ですかと……。
[言いかけた言葉は向けられた笑みと、そして、鰐の乱杭歯に遮られ]
うわっはっ!?
[素早く足を引こうとするも避けきれず、僅か、その鋭い歯が足を掠めるか。
痛みに顔をしかめつつ、ばさり、と大きく羽ばたいて漆黒の羽を散らす。
空間に舞い散る漆黒と、微かな紅。
それに紛れ、後退しつつ、体勢を整えて]
中々……隠し玉の多いコトで。
[呟く声は、僅か、呆れを帯びていたか]
ふふふ、まあ取って置きだしね。結構疲れるんですよ、無い体積を増やす変異って
ちなみにまだ居ますけど……見ます?
お代は、今なら特別キャンペーン。ディーノの命でいいよ
[そう言ってニコリと笑う]
少女 カレンは時間を進めたいらしい。
少女 カレンが時間を進めるのを止めた。
[到着した先で目に映るのは]
あはは、綺麗だ…。
本当に…本当に綺麗だ…。
[それを見つめる目はどこか恍惚として]
…ああ、僕もあんなふうに。
[その後に続く言葉は口の中で飲み込んで]
遠慮、いたしますよー。
あいにく……オレの生命は、とっくに『契約の対価』に取られちまってるんでねぇ?
[言いつつ、す、と表情を引き締め。
くるり、一回転させた鎌を確りと構えなおす]
……ま、そろそろ、終わりにしませんか……と、ねっ!
[空に響く、鋭い声。
直後に、漆黒が力強く大気を打ち、その身が高く舞い上がる。
仕掛けるのは、上空からの一撃。
高速起動による勢いを、鎌の刃に乗せた高速の斬り下ろしの一閃]
せっかくだから、踊り子 ミュウ は 手品師 ディーノ に投票するぜ!
せっかくだから、情報屋 ノブ は 手品師 ディーノ に投票するぜ!
それは残念……って契約?対価?何それ
[そう言って小首を傾げる。しかし、鎌を構えなおすのを見るとスッと目を細め]
まあ、どうでもいいか。そろそろ私も疲れてきたし、決着つけるのには……大賛成!
[舞い上がるディーノに続いて自身も上空へ
斬り下ろしの一閃にニヤリと酷薄な笑みを浮かべると]
そう来ると……思ってたよ!!
[そう叫び、両手両足を広げるとそこにはモモンガの如き飛膜。もちろん空気抵抗により急制動。空振る鎌の軌跡。衝突する二人。その衝撃にわずかに眉を寄せつつニヤリと笑うと]
じゃあね、デイーノ
[腹部から再びポチ。今度こそ獲物を自らの腹に収めようと開かん限りに大口を開ける]
なっ……。
[止められ方に驚いている余裕はなく。
完全に回避するには、距離が近すぎた]
……っきしょ、オレはトリじゃねぇっ……。
[いささか場違いな愚痴は、衝撃と、紅の舞に遮られる。
程度はわからないものの、身体が、深く、抉られるのは感じられた]
……っても……このまま……ただ、終わる気はないんだよねっ!
[わずか、緩んだ手の力、それを再び入れなおす。
翼を大きく羽ばたかせて距離を開けつつ、振るった刃は果たして相手を捕らえたか。
確かめる術、それすらなく。
力が抜けた身体は、ゆるりと下へ]
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