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[木漏れ日が、私の身体に柔らかな光と影を落とす。
森に住む小さな命達が、白金の毛並みに誘われて戯れる。
命を脅かす事のない私は、彼等にとって格好の相手なのだろう]
…遊ぶは構わぬ。
なれど、強く引くのはお止め。
[瞳を伏せたまま、長い鬣をついばむ小鳥へ声を投げる。
野鼠が背に登るを感じつつ、私はまどろみへと*誘われていった*]
[キッチンへ向かう姿が、カメラに捉えられる。]
―――
名前:ダーヴィッド・フォン・ファイエル
種族/属性:竜族/火炎
職業:軽装銃騎士
年齢:約350歳(容姿は二十代後半)
物質界封印管理官の任に就く、若き竜。
炎竜王直系末子の純血赤竜であり、将来有望視されているものの、本人は至って呑気。
……猫、結構好きなのに。
おにーさん、髪ふわふわだから柔らかそうなのに。
[エーリッヒの反対する理由は考えずに項垂れた]
ま、いーや。
探検してくる。
じゃあね。
[少し不満げに、エリアを出て*いく*]
< たぶん、短毛だから、ふわふわはしてないと、猫は思いました。
でも自分で触ったことがないので、強くはいえません。
猫は困ってしまって、それでも何か言おうとしましたけれど。>
あ。
< 呼び止めようにも、名前も、知りませんでした。
だから、かの女はどこかへ探検に、いってしまいました。
今度は猫のすがたでいようかな。
そう思って、さっきあけた とびらを見ます。
しかし、なんだかつかれたからか、眠くなってしまって。 >
< 小さく、あくびをしました。
よくよく考えれば、ここは おひるねに良い場所。
丸いきのこがそこらへんに生えていますけれど、なんにも気にせず猫は木陰に隠れて… >
−東部:屋敷−
[屋敷へと辿り着いたのは何時だったか]
[人気の少ない廊下を変わらず裸足で歩む]
[広間の書は以下のように記録していた。]
――
■名前:アーベル Abel
■種族:魔族
■属性:機鋼
■職業:不明
■年齢:不詳
────────────
突如として機鋼界に“出現した”存在。
機鋼の属性に近しいと思われるが、断定するには。
機鋼界を訪れる前の経歴は不明。
まだ若い魔族なのか、不完全。感情が薄く、感覚も鈍い。
力の面でも不安定な傾向があり、他の属性の影響を受け易く、バランスを崩してしまう事もあるようだ。
――
[彷徨った後、厨房へと入る]
[菓子作りをする時空の竜の姿]
……、……………?
[気付いた彼がどうするかなど関係なく]
[置かれていた林檎を無言で手に取り、]
[皮ごと齧りついた。]
……………。
[放り投げられた赤の玉]
[宙で踊り手のひらに戻る]
[確かめるように舌に指を当て]
[首を傾けつつ気紛れに出て行った]
[果実を手にしたまま、広間に戻る。]
[向けられる視線:従魔の少年]
[天の青の両目][海の青の左目]
[異なる青が交わり暫し見詰め合い]
[先に逸らされたのは深い色だった]
外。出て来る。
[断りではなく、一方的な宣言]
[他の存在は目に入らぬ様子で扉を開いて]
[吹き込む風は][髪を揺らして][本の頁を捲る]
[緑の原を抜けて]
[半透明の路を通り]
[更に深い緑の森へ]
[鳥の囀り][獣の鳴き声][木々のざわめき]
[落ちた葉を踏み、柔らかな土の上を歩む。]
[その間も断続的に][くるり][赤の果実は踊る]
……。
[すやすや、][眠りこける白の獣]
[眼は閉じられて色は知れず]
[一部異なる色は左前脚の青い布]
猫?
[一般的な名を口にせど、背には異なる真白の翼]
[呼吸に][風に][微かに揺れる白][じっと眺める青]
< すぅ、すぅ。
猫は見られていることに、気づいていないのか、とてもやすらかな眠りのなか。
たまにぴくりと羽根は動いて、からだは息にあわせて、すこしゆれて。
……どう見ても、気持ち良さそうでした。 >
[微かに指先が触れる]
[僅かに猫の髭が震える]
……、
[手を引いたが猫が目を覚ます様子はなく]
[もう一度触れて、今度は、毛並みを撫ぜる]
< その手の なで方が気持ち良いのでしょうか。
猫は、かすかに喉をならしました。
目をあける ようすは、ありません。
うっとりとしていて、けいかい、なんてどこかに捨ててきてしまったよう。 >
[毛の流れに添うように指先は伝い]
[羽の付け根近くをほんの一瞬擽り]
[喉の鳴るのに気付くと顎の下へと]
……、気持ち好い?
[問いかけは][届いたか否か]
[ぽとり、手のひらから林檎が落ちた。]
[ころり、転がって猫の近くで止まる。]
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