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―公園前―
かやにいちゃ。
[声をかけられると瑞穂の手を離し、近づいてぱふんと伽矢の足元に飛びつく。優しいいとこは大好きだから。
すりすりと寄って、瑞穂の声が聞こえた頃に顔をあげる。]
にいちゃ、みずねえちゃとご飯いっしょに食べよ。
ちえ、お金ちゃんと持ってるよ。
[満面の笑顔でそう言うと、うさぎリュックの肉球から、500円玉を取りだしてみせた。
それは毎日母親から渡される、小さな小さな*愛情の形。*]
[さて、朝風呂も終わり、買い物を始めた彼女は]
たっかーい!!!!!
そんな極悪非道な価格設定していて、本当にお客さん来てんの!?
そんな値段で出されるなら、電車代出して、隣の町まで買いに言ったほうがまだマシよ!
[価格交渉の真っ最中だった]
煙草吸えるんなら、問題なし。
これは、俺の生命線なんで。
[酒とコーヒーと煙草だけで一週間生き延びた。
そんな記録も地味にあるくらいで。
案内された先は、普段あまり行かない通りの隠れ家のような店]
……へぇ。
こんな場所があったとは。
[呑気な口調で言いつつ、お勧めされたカルボナーラを注文したりして。
食事の合間、やはり方向性の近さ故か、話題になるのは超常現象のこと]
……ああ、そういえば。
白井氏は知ってるかね、『桜と童女の怪異』関連の話。
[ふと思いついてこんな話題を振ったのは。
ここ数日、桜の傍に見慣れぬ女性がいるからか]
桜の怪異自体は、ある意味珍しくもないんだけど。
この、『童女』とセットの、っていうのは、どこで聞いてもパターンがほぼ同じなんだよな。
季節外れの桜が咲いて、数日後に突然散る。
その前後に、必ず現れる女の子がいて。
で、終わった後には数人が行方不明になってる、って感じで。
何度か取材してるけど、ほぼパターンは同一。
これを怪異と定義するなら、同じものと見るかな、やっぱり?
[この手の話は、できる相手が限られているからか。
話す様子は、妙に楽しげに見えた。
かも知れない]
[初見の時は、徹夜明けで公の場に出る、という状況に煙草が吸えない事が追い討ちをかけていたため、さほど饒舌ではなかったから。
もしかしたら、印象はだいぶ変わって見えたかも知れない。
ともあれ、食事を済ませたなら、通りに出て]
さて、と。
んじゃ、俺は当初の予定通り、買い物に行きますかね。
白井氏はどーすんの?
[軽い口調で問いかける。
雪夜がどこかへ行くというならその場で別れ。
何かしらあって付き合う、というなら、それを止める気はなく。
行きつけのコーヒーショップでコーヒーとパンを補給すると、ふらり、中央広場の方へと足を向けた]
─中央広場傍─
[飛びついて来た従妹を受け止めて。
オレはその頭を優しく撫でてやる]
……飯?
オレも外で済まそうと思ってたから構わねぇけど…。
んじゃあ千恵、何か食いたいものあるか?
[幼馴染からは遠慮がちに訊ねられ、従妹には満面の笑みで言われた。
断る理由も無かったから、オレはその問いに承諾の意を向ける。
500円玉を見せて来る従妹には、「落とすなよ」と一言向けて。
オレは自分の手で包むようにして、その小さな掌に500円玉を握り込ませた]
― 回想 ―
[店を閉める時間になっても、あの人は来なかった。
彼が来れば悦びの声を押し殺し抱かれる癖に、
来なければ来ないでほっとする。
伽矢の部屋と、彼を通す部屋を隔てるのは壁一枚。
いくら押し殺しても、情事の気配は伝わっているに違いない]
伽矢の休みも把握できてないなんてね。
……終わってる。
[顔を歪め、自嘲した。
作らなくていいと伽矢は言った。
けれど、作らなければ食事抜きで済ませてしまいそうで。
野菜炒めを簡単に作り、ラップをかけてカウンターに出しておいた]
『伽矢
ご飯は冷凍庫。チンして食べなさい。』
─中央広場─
[のんびり歩いて広場へと。
中央の古木は風に葉を揺らす。
木の傍らには、紅の装いの女性の姿がまた見えた]
……今日も今日とて、か。
[小さく呟き、黒の小箱から煙草を抜き出して。
銀のライターを小気味よく鳴らしつつ、火を点けた]
[パソコンを立ち上げ、今日の売り上げを記帳する。
赤い数字が少し減った。
飲み過ぎ用の薬を喉に流し込むと、二階に上がり寝る事にした。
伽矢の部屋の前で一度立ち止まったけれど、
声はかけずに自室に入った]
―→現在 ―
[いつも通り、昼に目覚めた。
薄化粧をし、髪を軽くくくり、楽な服を着ると外に出る]
あらぁ。
稲田さんち、またお休み?
[雑誌を買おうと本屋に向かったのだけど、
張り紙付きのシャッターに阻まれた。
しかたなく少し離れたコンビニに向かう事にした]
―→ 繁華街・コンビニ ―
/*
目標:出来るだけ丁寧に他の人の発言拾う事。
人数少ないから何とかなるで、しょう!
ところで、広場にいく理由を作らなくては皆と絡めません。
ももか頑張れー。
―公園前―
[忠告に、はぁぃと頷いて。ひとまわり大きな手に包まれ、きゅ、と手の中に500円玉は隠される。]
食べたいの…。
まっく!
ちえ、まっく食べたい。
[暫くうーんと考えた後、出てきたのはあまり身体によろしくないもの。
外でみんなで食べる、という印象が強い場所でもあった。]
― 繁華街・コンビニ ―
やっぱり食べてなかったねぇ。
[弁当のコーナーを見て、手付かずの野菜炒めを思い出した]
ま、あの子が食べなきゃ私の腹に納まるだけなんだけど。
[コンビニには話題が詰まっている。
新商品の話を客に振られる事も多く、店内をぐるりと回って観察する]
何これ。
[飲み物のコーナーで目に付いたのは、『焼き芋コーラ』。
一体誰が好んで飲むのだろう。
芋の香りと甘みが口の中で弾けるのだろうか。
私は思い切り顔をしかめ、雑誌コーナーに向かった]
10人目、女子大生 黒江 がやってきました。
女子大生 黒江は、狂信者 を希望しました(他の人には見えません)。
―中央公園―
[ベンチに腰掛けたまま、ぼんやりと桜の大樹を見つめている。
横に置かれているのは幻想系を得意とする出版社の雑誌。
手の中には通話を終えたばかりの携帯電話]
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