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雷は、どっちかってーと精神的な方かなぁ。
[実際落とすかもしれないが、意味的にはそっちの方で。麒麟の場合も然り]
……はぁ、こっち、終わったよ。
鳳凰、木属性の気、補う必要あるかも。
[どちらが勝ち、どちらが負けたのかは、それで分かるだろうか]
[ともあれ、愚痴を言っている場合じゃない、と。
昨日展開した『隔離の陣』の方へと向かう。
意識を凝らし、内部を辿って]
……従姉殿?
[内に感じたのは、ずっと所在の知れなかった従姉の気配。
中にいたのか、と思いつつ、陣の外殻への干渉に取り掛かる]
…?あ、おい。
[止める間もなく石段を上がっていった様子に、軽く首をひねって。
呆れながら、烏龍茶のボトルを片手に桂の後ろをゆっくり追いかけるように石段を上がっていく。
上りきるころには桂の真後ろに追い付いただろうか]
緊急事態ですか、ら…!?
[相手の属性を単純に見抜けるほど、修行したわけでもなく。
白虎の力を借りてるだけなので金行以外が使えるわけもなく。
そんなこと言われても!と思ったけれどそれを口にする余裕など、それこそどこにもなく]
――っっ!!
[立ち上がりかけた所に返される術。
爪を変化させ、簡単な盾のようにして顔を庇うのが精一杯。
より鋭さを増した破片に腕を脇を切り裂かれて、細かな傷を幾つも負う。流れる血に、ちょっとクラリとした]
あー、そですか。
そゆことですか。うはー。
[重ねて“白虎”と呼ばれることで気付いたことが一つ。
だが今更引くわけにも行かなくて。というよりここまでやられて引けるほど人間ができてもいなくて]
物騒なのはお互い様じゃありませんかい。
……ん、そうか。
[霊亀の言葉に、一つ、頷いて]
木……か。
従姉殿に頼むしかないな。
ああ、『隔離の陣』の内にいるみたいだし、後で話しとく。
……どの道、蒼龍も連れてかにゃなるまい?
[黄金の気に応え咆哮する大地の龍。咆哮に応える大地の槍。
境内の礫を跳ね飛ばしながら、蒼い木葉型の刃を打ち落としていく]
こんの、離せっ!
[腕や足に絡みつく植物を乱暴に刃で叩き切り、幾筋か身に絡めたままで槍の間を駆ける。爆発する龍と槍の礫に紛れながら、構えられた戟へ躊躇いなく踏み込んで]
――はっ!
[気合一閃、黄金の気を纏う剣で突きを放つ。それは身に突き刺るのではなく、少年の背を弾き飛ばし大地に叩きつけた]
ったく、手間、掛けさせおってからに、バカ!
[こちらも植物に絞められ青痣出来ーの、木の葉の刃に切られキャミがレースになってやがるーの、満身創痍。紙一重。
それでも剣を肩に置いて見下ろす目は、眼鏡越しにでも迷いはなく]
……頭だけやのうて、体も冷やしときや。
[一言告げて、大丈夫なん?と笑った]
ああ、拾ってく。
入り口は学校の屋上だったよな?
[鳳凰に肯定の言葉を返し、改めて確認]
璃佳に問いただしたいこともあるから、そっち行くのに少し時間かかるかもだけど。
[次に視界に飛び込んできたのは、地面に倒れているキョウヤの姿だった]
キョウヤ!
[体中の血の気が引いていく感覚に、足が崩れそうになるが、其れよりもまず先にキョウヤの体が心配だった。まだぶつかり合った力が荒れ狂っているであろう境内を、友人に向けて駆け寄る]
[決着ついた恭也と璃佳の傍へと歩み寄る]
おい。
何でこうなったかの説明、聞かせてもらおうか?
[言葉に怒気が孕んでいるのはおそらく気付けることだろう。倒れる恭也の傍に行き、膝を突いた]
全く、普段から鍛錬してれば、受身ぐらい取れただろうに。
[この状況見て言うのはそれだけか]
[階段を上りきった先の境内。
そこに立ち尽くすヒサタカを見つけ、声を掛け……ようとするが、その向こう側の状況を見て、言葉を失う。
そこに居たのは、倒れ伏すキョウヤと]
…………リカ。
[ガリッと爪を噛み、一瞬リカを怨敵を見る目で睨みつける。]
ああ、入り口はな。
取りあえず、俺は外殻強化やっちまうから、そっちは任せるよ。
[力を繰りつつ、やれやれ、とため息をついて]
っかし……龍ども、ほんとに、何してやがるんだか……。
[それから、振り向いて見つけたサキに、やほーと手を振ってみる]
ちょーどよかった!
あんな、悪いねんけど手当てと冷やすんお願いできひん?
友情に厚いんはいいねんけど、ちょーっと冷静さ失うてやってさ。
あ、でも野放し禁止せなあかんやも。
さすがに五神内で暴れられる度にうちが止めなんは困るからなー。
[疲れたーと、その場に尻餅ついて、剣を消した両腕を後ろにつく。
そのまま伸びをするよーに顔を後ろに背けたら、石段を上がってきてたヒサタカの姿が視界に入った。うわーと情けない声が出る]
本命来る前に体力切れしてもうたやんか、キョウヤんのアホー!
[ 一段、二段、すっ飛ばしながら下りて、一階まで。
昇降口から出ると、過ぎっていく風に言の葉を乗せる ]
『そーいや、そっち、どーだった?』
頭は最初から冷えてる。っつーかこれで大丈夫そうにみえたらもっと度の強い眼鏡を買うことをすすめる…まあ死んでない…
[手を地面に突いて起き上がろうとして、一度失敗して、ようやく自分の怪我の具合を知る。
破片とかそういう飛び火で怪我したのだろう。そりゃくらくらするはずだ、出血大サービスものだ本当。
また起き上がろうと手を突いて、地面と見合いするはめになる。結局戟の刃を地に着きたて杖代わりにして、璃佳やすぐに来た幸貴の手を借りようとはせず意地で立ち上がり]
…そう…死んでないんだよなぁ…ぁあ…
[穂先を抜いて。鈍すぎる動作で璃佳に向けるような動きになるも]
……無理。死ぬまでやるほうが不義理だな。そんなもん抱えさせるなんて最悪だろうし降参だなぁ。こりゃ
[そのままくるりと刃の部分を上にして杖に、もたれるようにして、幸貴に答えようとして、久鷹とその奥のマリーをみる]
そういう事です。
――…喧嘩を売る相手を間違えましたね。
僕は、降りかかる火の粉は全力で払う主義ですので。
[物騒で結構ですよ。
頬へ薄く線を描いた紅から一筋滴るそれを、ちろりと舌で掬い舐める。
口の中へと広がる鉄の味。親指で、強く拭う。
――…嗚呼、]
…そろそろ、終わらせません?
[相手を見据える瞳は、細く――何処か、冷やかに。
ニィ、と。笑みが深まると共に、漆黒が、掌の中で三度形を変えた。
手の中で細く伸びた漆黒が、弓状へと姿を成て。
ギリ、と引き絞る。
――その切っ先を相手へと真直ぐに狙いを定め]
……なんなんだ。
[もはや出てくるのは呆れ。
どうやら眼鏡二人組による戦闘らしきものがあったようで、まー何とどっちもみっともはずかしいような状況になっていること。
ため息をひとつつくと傍観者らしい神宮寺に視線を向けて]
…何事?これ。
[わけがわからないとばかりに首をかしげる。
一緒にきた女子が、何やら眼鏡女子を睨んでいたのには気がつかなかったが]
手当てはこちらでする。
その用意もしてるからな。
[璃佳にそう返すも、表情は厳しいまま]
友情に厚いと言うが、何故そうなった?
そうなった要因はどこから来たのかね。
[その口調は璃佳を問いただすかのように。本命、の言葉にその理由は大体察しがつきつつあるが]
…あんなときに受身なんてとれるか。ってか誰かさんのおかげで俺受身だけならかなり自信あるぞ
[幸貴のどうしてという問いに答えるのはどうも気まずくてそんな言葉だけを幸貴に返し…てる横で説明する璃佳を見て嘆息して]
あのな…一日二日ぐらい待ったっていいだろうが。…まあでれんってのは厄介だけどよ。
[済ませてから考える思考だった]
[寄ってきたサキの声は怒気篭ってるは、デート中のはずのヒサタカはおるわ、と思ったらなんかデートの邪魔したせいか恨み骨髄っぽいマリーに睨まれるわ、ぼへーと役に立たんっぽいヒビキは言うに及ばずで。
とりあえず、四面楚歌なんはわかった。ちょっとだけ涙が出た]
……ヒサタんが妖魔っぽいんで確認しよー思うてキョウヤんに呼び出し頼んだら、逆に襲われたんやけど。
なんでうちがこんなに睨まれなアカンのかなー。
[疲れもあってちょい声が遠いです]
無理してんじゃないよ。
治療場所まで運んでやるから、座ってな。
[無理に立ち上がり、そのまま戟に凭れる状態になった恭也を見上げ、座るように促す。
何事かと問いかけてきた響に視線をやれば]
とある原因で悶着があってね。
今しがた決着がついたところ。
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