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―前日―
[宿に居た者への挨拶そこそこに。オトフリートをひっ捕まえて戻り、暫くは部屋の片付けをしていた。
『大体なんで毎度本を積み上げるんだ』とか『棚を買うか箱にしまえ』とか小言も忘れなかった。本が増える事を知らなかったのは、きっとお互いにとって幸いだろう。
あれそれと置き場所への注文を聞く度に『細かい配置は自分でやれ。』と手話で示し。うっかり本を読み込む素振りをみれば、背後から手刀をいれ行動を修正した。
気をつけるとの言葉を聞くと半目になったのは、きっと仕方がない。
そんな混沌極まる片付けにようや区切りがついたころ、ふと視線が逸れ動きが止まる。
『…忘れてた。宿無しが教会にも来るかもしれん。もう戻る。』
そう示し、薬の入った木箱を手に、友人の家を出た。間際の休めとの言葉には、『言われなくても』、と、仕草し。紅茶の事は後ろ手で『おう』と短く返した。胸中の喜びは、素振りにはあまり出さず、素っ気なく。
去った後の言葉を、拾うことはなかった。]
……人狼……ねぇ。
[小さく呟く。
それは、本職での研究テーマの一つでもあり。
団長の示した印、それも知識の中には確りとあるもの]
あーあ、それ見せられなきゃ、笑い話でしょー、って言って落とせたのになー。
[大げさなため息混じりの言葉は、多分に不謹慎なものだが、目は笑ってはいなかった]
― 翌朝 / 雑貨屋『ルーチェ』―
[いつもの時間に起き出していつものように身支度を整え
いつもと変わらず店番をして過ごすはずだった。
少女の一日に変化を齎したのは朝一番の客。
自衛団員の訪れから始まる。
カラン、とドアベルの鳴る音に少女が口を開いた]
いらっしゃ、――…
[声は途中で途切れる。
重々しい空気を纏う自衛団員の言葉がそうさせた]
……宿に?
[彼の口から委細は告げられない。
少女は不思議そうにことんと首を傾げた]
[宿に集まるよう促す団員の声に気付いて
少女の母親が店内へと姿をみせた。
団員と少女を見比べてから母親は如何したのか問うが
問われた少女もそれを知れぬので困ったように首を振るった]
団長のギュンターさんが呼んでるんだって。
だから、行ってくるね。
宿は近いし、……すぐ戻ってくるから、ね。
[大丈夫だという代わり、にこりと笑みを母親に向けて
少女は雑貨屋を閉め、宿へと向かった]
[商談がまとまればお茶を飲み。
フォルカーがアーベルの本に興味津々なのにはやめときな、と声をかけるもののきこえたかどうか。
そうするうちにライヒアルトが学者先生を引きずって行く場面に遭遇すればどちらに対してもお疲れさん、と声をかけて。
結局その日のうちに団長と会うことはないまま、自室へと戻った]
―朝/宿―
[部屋に戻った後、荷崩れなど起きていないことを確認して眠りについた。
そして朝、いつもの時間に目を覚ましてあくびを一つ。
顔を洗って身支度を整え、宿の朝食をもらうためにしたに降りる。]
おはようさん。
[宿の主人に声をかけて朝食をもらい、そして食べ終わったころに宿へと団長に集められた人々がやってきて、不思議そうに瞬く。
団長>>190はみんながそろうまで口を開かず。
そして告げられた言葉にあっけにとられたような表情を浮かべた。
たしかに人狼の伝承がこの地にあることは知っているし、他所の地でも似たような話を聞いたことはある。
だが実在すると言われれば信じられないように眉を寄せて、飲み込みづらい団長の言葉を、ただ聞いていた]
─ 翌朝・自宅 ─
…解った。
宿屋には行くが、少し時間をくれないか。
今起きたばかりで、顔も洗っていないんだ。
…何なら、此処で待っていてくれても構わないが。
[困ったような戸惑ったような表情を浮かべる自衛団員に、暗に身支度を整えたいと伝え。
待っていてもいいと言ったのに他意はなかったが、自衛団員は居心地が悪そうに出ていった。
それを不思議に思いながらも、さして気に留めることはせず。
昨日と同じように、水浴びをして服を着替え。
母の形見を首にかけて、服の下に仕舞い。
出かけようかと思って目に入ったのは、黒曜の短刀。
昨日あの音の前に帰宅した時に机の上に置いたままだったと思い出して。
そういえば結構村の中を歩いたのに依頼人の姿を見なかったなと思い、今日はここに置いていくことにした。]
─ 翌朝・→宿屋 ─
[幼馴染もとは思いもしていなかったから、どこに寄ることもなく一人で宿へと向かい。
自分が宿屋へと着いた後か先か、幼馴染も呼ばれたのだと知れば怪訝な表情に変わった。
幼馴染以外にも同じように集められたという人達を見ても、何の為にか察することは出来なくて怪訝な色が濃くなる。
が。]
……人、狼。
[>>190十一人の顔が集まったところで自衛団長から切り出された話に、表情が変わる。
無意識の内に、胸元─服の下に隠れている首飾りの上に手を置いて、息を飲む。
人からすれば子供の御伽噺だと思われるような、伝承の其は。
>>191自衛団長の証を見ずとも、真実だと知っていた。]
加工師 ゲルダは、彫刻家 アーベル を能力(占う)の対象に選びました。
/*
占い先悩むなー、悩むなー。
昨日の様子だとアーベルバファリンしなくても大丈夫かなーって思うけど。
私が率先して占いたいのはきっとアーベル。
―翌朝―
[扉を叩く音で目が覚める。目に入ってきたのは見慣れた家ではなく、宿の一室。]
…戻るのが面倒で部屋借りたんだったっけ。
はいはい。怪我の悪化した人でもでた?
それとも、また落盤がおきたとか?
[身支度を済ませ扉を開くと予想通りの自衛団の姿。妙に暗い表情が気になりはした。]
怪我人じゃない? 集まれって? なに、いったい?
―前日―
[教会には予想通り、宿からあぶれたか金を惜しんだのか、旅人や商人数名が居た。
礼拝堂を解放して、各人に毛布を配る。
床か長椅子しかなく環境はあまり良くないが、逞しい彼等は屋根があるだけましだと言い、それには..も笑った。違いないと。
身に覚えがあったから気持ちはよくわかる。
やることを終えれば直ぐに部屋に戻り眠った。
林が風にざわめいて、何やら不吉を予感させる音を出していたが。
結局はすぐ寝入ってしまった。]
―翌朝―
[集められたのは見知った顔ばかりのようだった。概ね、顔と名前の一致する人ばかり。]
未曾有の危機って。
[随分、大げさな話だ。伝染病でも発覚したというのだろうか。]
は? 人狼?
[予想の遥か斜め上の意見に首を傾げるが、冗談を言う人間でもなければ、今日はエイプリルフールでもない。
顔つきも真剣そのものだ。]
・・・・。
[慣例とやらのくだりについては何も言葉が浮かばない。
本気なのかと問うのは意味がないだろう…。
戻っていく団長の後ろ姿を無言で見送って周囲の人間を見渡した。]
―宿―
[去って行く団長を見送ってため息を一つ。
結社、という存在もまた噂話程度で耳にしたことはある。
だが今迄そんなものが実在するとは思っておらず、どこか信憑性が薄く感じられて]
……一人差し出せって言われても、ねぇ……
[はあ、とついたため息は内心の恐れを孕んでいた。
村の人々とそれなりに親しくしているとはいえ所詮は旅人。
どこまで周りを信じたものか、迷う視線はこの中では一番交際の長い知人へと向かうのも仕方のないことだった]
―翌日・教会―
[音には相変わらず気づかない為、訪問者の訪れを知り目覚めるまでには時間がかかった。昨日の疲れのせいでか、深く眠ったのも要因の一つだろう。
一応とかけていた鍵が、壊されんばかりの勢いに揺れる扉に眉を寄せながら扉を開けると、苛立つ自衛団員から宿に来いと伝えられて更に眉がよった。
理由を尋ねるが、来れば解るとしか返らない返事に諦めたように息を付く。言伝だけ残して立ち去る自衛団を見送り、僧衣に着替えてから部屋を出た。
礼拝堂ではまだ眠そうな旅人達が、何事かと此方の様子を伺っていた。
何、に説明は出来なかったが。
彼らに教会を空ける旨と、大半は渡したが多少は分けられた薬の事や、その他備品などの場所などを簡単に伝えて宿へと向かった。]
[団長が宿を出ていくまで、ただ黙したままで立ち尽くして。
幼馴染や誰かに話しかけられても、声を返すこともできなかった。
自衛団長が出ていって、この場に残された者は何を話していたか。
その話のどれにも入ることはせず。]
私は今から、詰所に行ってくる。
[誰に告げるでもなく言うと、先程自衛団長が出ていった扉に向かう。
誰かが一緒に来るなら、それを拒絶することはしなかった。]
―今朝・教会―
[深夜、寝入りに遠吠えが聞こえたが、疲れの為そのまま眠った。
思えば声が聞こえる時点で、誰が何をしているのか気づくべきだったのだが。
翌日の訪問者の用件に眉が寄る。
口調と様子と昨日の事から、何が起きたかはおおよそ察した。]
あー……死体の事なんだろうなぁ。
[どうして自分を的に絞れたかは謎だったが。
面倒なことになったなとは胸中で思いながら宿へと向かった。]
─ 宿 ─
……にしても、まあ。
[団長が去って行った所で、改めて場にいる面々を見回す。
この中に、と言われても、正直見当もつかない訳で]
面倒極まりねぇ……。
[口をついたのは、率直な感想。
本職は伝承学者、人狼の伝承方面の知識はあるが。
こればかりは、知識『だけ』でどうこうできるものではない]
……出てきてくれるとは、限らんもんなぁ……。
[呟きは、軽く、ため息混じり]
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