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あら、こんにちは、ええと…。
サーカスの方だったわね?
私の娘をご存知なくて?
[声をかけられればにこりとほほ笑んで。
娘が彼を「占った」反動で霧散したことなど、知らなくて]
無理ですよ!
[ニーナの言葉に首を振って、思わず肩を掴もうと手を伸ばす]
一度切り離されて戻った人の話は、前に聞いたことありますけど、本当に弱くなってしまってる筈ですよ。
魂どころか身体が消えてしまうかもしれません。
そんな恐ろしいこと、私にはとても出来ませんよ!
[じっとニーナの目を覗き込んで言う]
そっか……ほんとに、唐突なんだな、それじゃ。
[ニーナの話には、小さく息を吐く。
昨日までは彼自身も異変は感じていなかったのだから、その言葉に偽りはないのだろう]
……まあ、もし診療所で対応して、様子が聞けたら教えてくれると助かるかな。
魔術師殿の言葉が本当なら、手に負えるものでもないんだろうけれど、ね。
お嬢さんは、消えてしまいましたよ、レイディ。
[微笑みながら冷徹に告げる]
ずいぶんと頑張っていたようだが、な。
今は、ほら、あの氷柱の中で永遠の美の一部となっているだろう。
[天幕を指差して]
ラッセルさん?
疲れてるなら、休まないと。
甘いもの、食べる? ほら、一応、まだアップルパイあるし。
あげる。
……って、マジシャンさん必死だね。
んーイマイチわかんないんだけどさ。
魂と身体の繋がり?ってのが弱いときえちゃうっていうけど、
今のマジシャンさんのこと聞いてたら、魂が消えるの?
身体も消えちゃうかもってことは、んー、それらが切り離せるとして、ええと。
つまり、アーヴァインさんはどっかにいるのかな?
…そうですか?
原因をはっきりしたほうが、ブランさんも不安にならずに済むし。
[良いかなって思ったんですけど。
肩を捕らえられ、きょとんと瞬いた。覗き込まれて、青の目に銀の光が映る。
目の前の青年の持つ力が本物で、彼がその所為で消えてしまったのなら、
まだ良いのだ。ただ、もし、違うのならば。
ゆるりと、広場へ視線を巡らせる。この中に居る筈。
最早少女の中で可能性は、その一つに限られるのだけれど。
其れを模索する方法も無いか、と内心溜息を零して]
吟遊詩人 コーネリアスは、見習い看護婦 ニーナ を能力(襲う)の対象に選びました。
吟遊詩人 コーネリアスは、見習い看護婦 ニーナ を投票先に選びました。
消える……?
[黄色の風船をくれた男。
その言葉のかわりように、いぶかしむように眉をひそめ、
続けられた言葉には、不快そうに返す]
冗談を言っていい場合と悪い場合があるのよ。
サーカスの団長さんに、習わなかった?
[けれども、指差されるままに天幕を見上げ――]
シャロ……?
あ。はい、判りました。
エレノアさんの詳細が入ったら、すぐにお知らせします。
……えと、もしそちらでも、何か判ったら、教えてもらって良いですか。
[ハーヴェイの言葉にこくりと頷いて、同じように問い返す。
ラッセルの様子に、僅かに眉を寄せて]
…あの、無理は、しないで下さいね?
もし体調が悪ければ、診ますし。
[大丈夫ですか、と青ざめた顔を軽く覗き込んで]
[ラッセルの青ざめた顔を覗き込みながら]
大丈夫?
疲れてるなら無理しないほうがいいわ。
えぇと…ちょっとよくわからなくなってきたわ。
整理させて?
今、エレノア奥様が具合が悪いのね?
そして、コーネリアスさんが、魔術師だ、と。
アーヴァインさんがいなくなってて、それはコーネリアスさんのせいってコーネリアスさんは言うのね…?
あってる?
[くるりと周りを見渡して、首をかしげながら聞いてみた。]
うん、・・・有難う。
[包みを受け取るも、今は開こうとはせず。他の遣り取りを聞きながら、下唇を噛む。
本当に疲れているだけか、それとも――]
――前夜
[ことりと小さな音が、エレノアの眠る寝室に響いた。
夢と現の区別のあいまいなまま、
寝台に体を起こせば、眠ることのない、彼女の娘。
昼に買った白と黒の扇子を、
ぽとりぽとりと机から落としている。]
なあに?
シャーロット?
[気まぐれな行動とは思えど、声をかけて。
娘はシィ、と人差し指を唇に当てると、小さく笑う。
そうして――窓からふわり、姿を消した]
[追いかけようにも、窓の外を覗いたって、駆けていく娘はいやしない。
ただわめいて家人を困らせて(だって娘は「存在していない」のだから)。
疲弊して気づけばここにいた。
彼女は知らない。
彼女の娘が、黄色の風船の男とその馬に、違和感を覚えたこと。
彼女の娘が、なにかの能力を持っていたこと。
だから生まれる前に肉体を失いながらも「生きて」いたこと。
昨夜、娘の能力が破綻したこと。
だからきっと彼女がここに閉じ込められたのは、
水晶にとじこめられた娘の悲鳴、助けを呼ぶ声。]
――回想おわり
多分、それであってるよ、レベッカさん。
……本当、突拍子もなさすぎるけど。
でもラッセルさんの方が心配だけど。
体調悪いなら、ホットミルクでも飲む?
っていうか休もう。どっか、座って休まないと、たおれそうに見えるよ
……完全にいなくなってる……とは、思えんけどね。
[リックの疑問に答えるためか、独り言なのか、ぽつりと呟いた後]
ああ、そうしてくれると助かるよ。
……俺の方でも何かわかったら、知らせるから。
[ニーナの言葉に頷いて、返す。
黒猫は、唇を噛むラッセルを、やや首を傾げつつじぃ、と見つめて]
身体だけでもいるならいるで、どこかわかんないかなぁ?
まあ、探せばいいのかもしれないけど。
ここ……サーカスにきてるのが最後の目撃証言なんだから、この中にいるのかなぁ。
……。
あー、もう本当。
こんなわかんないのなんて、常日頃から一つでいいんだよ。
カガクテキコンキョがないようなのなんて。
ん、本当に。
大丈夫、だから。
[案ずるように鳴く黒猫にも、次々と掛けられる声にも、あくまでそう告げる。]
はい。
大体、そんな感じかと。
[レベッカの言葉には一つ頷いた。]
なんだか…難しいわね…
夢のある話だけど…
同じ夢のある話なら、もっと幸せなほうがいいわ。
[独り言のように、下を向いてつぶやいた。]
[沈んだ様子のレベッカに、申し訳なさそうな視線を向ける]
すみません。私の考えが足りなくて。
とにかく…もう占いをするつもりはありませんから。
[ニーナに、もう一度きっぱりと告げる]
不安。
アーヴァインが消える、それより前からずっと抱えていたもの。
思考に時折混じるノイズ。
気のせいだと思っていた。
今も、そう思いたい。
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