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えしさま…。
[呟きは、奥深く。
心の声が聞こえれば、安心するのは共犯者として。]
うん。
がんばろう。
[仕事をしよう、というのと、変わらない。]
仕方ねえんじゃねえの。ミリィ先生忙しそうだったし…
とりあえず頼むな。…事件のせいで、ちょっと心配だしよ
[それは体調以外のことも含めていっているが]
というわけで、はい。プレゼント
[リディも素直に従ってくれるようなので軽く引き寄せミリィに渡せ…るかどうかはともかく寄せながら]
わかった。まあ俺いなかったら両親にわけいって好きなのもらってくれ。
[と、なにに使うのかは聞かずにリディに説明。]
ったく。現金っつーか、単純っちゅうか。
[軽く嘆息。
ちなみに多分安くなったのは、工房の人がご迷惑かけましたって事で安くしてくれたんだろうなぁと言う認識。
てか、事実、要因としてはきっとそっちのほうが*大きかったはず*。]
というわけで、行くとしようか。
お前達も来るか?
と言っても、リディの治療が終わったら、作業に入るが。
[自然、手は絵筆の毛を入れた鞄に触れる]
[ミリィの言葉に]
あー、俺はいいっす。あそこ嫌いなんで。
……それに、行きたいところもあるし。
ってことで、んじゃまた。
[そう言って*駆けて行った*。]
[ぽつり、ぽつりと。
うとうとしながら、思いは心の言葉へと乗って
遠くにいるリディにも、届いてしまう。]
戻りたい。
…まいにち夢に見る広い「あお」の中、飛ぶのが…
ほんとうのじぶん、なのに…――
[そのまま意識は闇の中へと沈んで行く。
ヒカリゴケのランプが、ふつりと消えた**]
……全く、はっきりしているな。
[溜息を一つ。
リディの気が変わらないうちにと、診療所に向かう。
ちなみに。
あくまでも「いつもより」なのであって、
結局、治療とは痛く、薬とは苦いものでは*ある*]
[そうして移動を始めた矢先]
…あれ。
[必死の様で駆けてくる少女の、その様子に驚き。
向こうはこちらに気付いただろうか。
いずれにせよ、呼び止める間はなかったが**]
んー。俺はどうすっかな。
[リディをミリィに引き渡してから]
ミハエルの兄さんか…誰かにでも絵筆の…探しかたでも止めかたでも…どうするのかとか色々聞きたいことがあんだが
…まあ俺なんか居ても役に立たんっていわれそうだけど
[聞きたいことなどは多々あっても。
そこからすべきことが己にあるのかどうか。そもそも一介の海人が関わるような立場でもないのかもしれないとも思うが]
ちょっとじっとしてられる気分じゃないんで、邪魔になりそうなんで遠慮します
[といってミリィと別れ。絵師の家を目指すような。*少し考えをまとめるためぶらぶらするような*]
― 診療所 ―
ほら。これでよし、と。
[ぽん、と軽くリディの肩を叩く。
抗議の声が聞こえた気がしたが、気にしない。
各所を診て、手当てはしっかりと済ませてあった]
また『海』に潜って怪我をしたのか?
人は皆、海より生まれたというから、
惹かれるのも仕方ないのやもしれんが、
生きられるようには出来ていないんだぞ。
ひとりで無謀な事をするな。
私は作業があるからね。
ブリジット、あとは任せた。
[ひとしきり小言を言い終えると、
さっさと奥に引っ込んだ。
卓上に置かれた瓶には、薄く色付いた液体。
それに絵筆の毛を入れて何事かを呟く。
途端に色が変わり、混ぜるうちに透明になった]
よし、と。
これで準備は良いか。
しっかし、こういうのは専門外なんだがな。
[やはり、独り言は多かった。
今度は対象となるものの髪を摘まみ取り、液体に浸す。
それだけでは、色は変わる気配も見せなかった。
幾つかの、音を重ねる]
……真実の色を。
[最後の一音。
液体は染まりゆき、あの絵筆を思わせる黒に近づく。
漆黒に落ち着くか――と思われた、そのとき。
視界に白が、溢れた。]
[液体だけでなく、部屋全体もが真っ白だった。
呆然と、白に覆われた部屋の中心に佇む。
何事かとやって来た助手も、目を丸くしていた。
それも時間が経ち術が解ければ、*元に戻るのだが*]
[周りのやり取りから、
どうやら「ほかく成功」と認識]
ん、と。
ねえちゃん、だいじょうぶ? 診療所まで行ける?
あいたたたたた、だったよね。
[ユリアンたちを見送った]
[ふと気にかかり、
傷が痛むようなら、リディの歩みに手を貸そうと
―子供にそれが可能かは分からなかったけれども―
しつつ、診療所までついて行った]
[あとはミリィに任せ、引き返し]
―広場―
[大人たちが騒いでいる。
告示、とやらが行われた所為か][と知る]
[大声で話す群集の方から、その内容も耳に届いて]
え――えふで、で。絵を――?
[直の理解には至れなかった。
頭が拒否していたのかもしれない]
そんな。そんな………。
[アトリを抱き、しばらくしゃがみ込んでいた**]
― 診療所 ―
あたーっ、
ちょっと、ミリィせんせー、うそつき!
[傷口の痛みに、目尻に涙をにじませてそんなことを叫ぶ。
にがーい薬を飲まされて、やっぱり治療は痛くて、
もー二度と怪我するもんかと誓うこと何度目か。
肩をたたかれてぶーぶー言って、言葉にうーんと唸る。]
『海』を見てみたいんだけど、
あれを越えることは無理だと思ったよ。
[思い返したのか、声は暗い。]
[告げた言葉はやはりと言うか動揺を誘い、その様子に、もう一度ぽふり、と頭を撫でて]
さて、んじゃ家に……って、なんだ?
[家に行くかと提案しかけた矢先。
駆けて行く少女の姿に戸惑うものの、しかし、呼び止めるよな余裕はなく。
ただ、その背を見送るのみ。
ともあれ、改めて家に行こう、と促して歩き出す]
─自宅─
[アトリエ暮らしが長くなっているせいか、家に戻るのは随分と久しぶりに感じられた。
それでも、変わらない様子にどこか、安堵を感じつつ。
弟は先に座らせて、香草茶を淹れる]
さて、取りあえず……ここらは、そろそろ告知が出て回る頃だろうけど。
[最初に説明するのは、先に会議で決まった事。
自身が手を下す、という話は、さすがに良い顔はされないだろうけれど]
で、『絵筆』の行方を追う方法なんだが。
これは、薬師殿に策があるそうだ。
[こんな前置きをして、自身が受けた説明を繰り返す]
話の出所的な信憑性はともかく、嘘はつかんし、彼女。
信は置ける。
[ここまで話すと、一度、話題は途切れ。
立ち込める重い沈黙を振り払うよに、また、口を開いた。
その話題が、また、重苦しさを増すのは予測していたけれど]
それで、な。
直接的な身の危険はないとは思うが、今の俺は、以前と違って、色々な影響を普通に受けるようになってる。
[継承者たる『新たな月』。
それが昇るまでの間、『絵師』は不死に近い状態になる。
最初からそうだった訳ではなく、いつからか組み込まれていた仕組み。
その原因が何かは、確かめた事はないが。
……もしかしたら、誰かたちが話題にしていたおとぎ話が関わりあるのやも知れず]
……だから。
『絵筆』を持ち出した連中に狙われたら、抵抗する事は、恐らくできん。
そうなった時に備えて、『解放』のやり方を伝えておく。
[心の『解放』。
それは、多くの『絵師』が願い、夢見、そして自ら叶えるには至らなかったもの。
術自体は、自らの血を用い、それぞれの筆に定められた印を描いて、キーワードを唱えるという単純なもの]
……空へ向かうにはまだ『足りない』らしいから。
今、この法をやっても、生者の解放しかできんだろうけどな。
それと、今残ってる筆には、十分に力を込めてあるから、しばらくは大丈夫だろうが。
念のため、氷面鏡の間の場所と入り方、教えておく。
……ここは、『絵師』だけが立ち入れる領域だから、人には教えるなよ?
[予め注意をしてから、場所と入り方を教えるものの。
正直、継承前に弟がここに入る事がない事を願っていた]
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